修行
「坊ちゃんはそうですね、まず初めに体力を付けましょう」
「はい…」
ノアはガリガリの身体をザックリと見て、何やら紙にメモをしている
書き終えるとミハエルに手渡す
【モリモリ⭐︎良い子のメニュー!】
①ご飯を毎日3食沢山食べる。好き嫌いは作らない
②中庭を5周、散歩またはジョギング
時間で分割しても良い
朝 1.5周 昼3周 夜 1.5周 の様に
身体を動かしたら水分補給、タンパク質を取ること
③早寝早起き 22時前には寝ましょう
④嫌いなことはしないこと
〜ある程度慣れてきたら走り込みに切り替え〜
…可愛いウサギが書かれたメモであった
「体力を作るにも、栄養失調気味である為まずは美味しいご飯を食べる事から始めて、体重が増えたらこれを毎日やること、良いですね?」
「はい!」
「ある程度体力が付いてきたら体術から授業を始めます」
「よろしくお願い致します」
深々と頭を下げると、ぽんと手を頭に置かれた
じんわりと心があたたかくなった
料理長と相談しながら栄養満点のご飯を毎日食べ
体重がある程度増えた。
メニューを意識して1ヶ月後、見た目はまだ細いが、健康的な顔つきになり
今日からジョギングを始めることとなった
敷地内とは言え、広い中庭は今で例えるならば
東京ドーム2個分くらいの広さだった
〈がんばれ〜〉
「私って、ハァハァ…こんな体力ないんだ」
クロがどこからかポンポンを出して応援している横で
ミハエルは腰を曲げ膝に手を置き、一呼吸する
〈あのな、ミハエル…ずっと幽閉されてたんだから体力がヘナチョコなのは当然なんだぜ〉
「そうだった、忘れてた」
〈忘れんな〉
クロからドリンクを渡され、小休憩。
木の下で涼んでいると、慌てた様子でメイドがやってきた
「坊ちゃん、来賓です!当主様が出迎えるからお着替えしろとのことです!」
「そんな慌てて走ったら転ぶよエミリア。だれ?」
「この国の皇子様ですよー!他国への視察からお戻りになって、今夜は本館に泊まるそうです」
「私必要かな?兄上が対応すれば良いのでは」
「ミハエル様のご挨拶の顔合わせも兼ねてるそうですよ」
「分かった因みに第何皇子様?」
「第七皇子様です。他国との戦争を暴力ではなく交渉で解決され今最も有力な皇位後継者です」
「…へぇー、ところで第一皇子は何してるの?」
「噂では女と酒に入り浸っていて遊んでいるらしいです。この間隠し子がいるとかで新聞に載ってました」
「スキャンダル詳しいね」
「王城に親しい友人が働いておりまして、手紙で近況を知らせてくれます」
そんなことより綺麗にします!!
風呂に入らされ、あれよあれよと支度が進む
「兄上、ミハエルです」
本館へ着くと執務室へ参じた
ノックをして入ると頭を抱えた兄の姿があった
「どうなさったのですか?」
「話は一通り聞いたか?」
「第七皇子様がご来賓され侯爵邸に泊まる、と」
「そうなんだが、途中で暗殺未遂に遭われて
お怪我したそうで、しばらくウチで療養することになった」
「えっお怪我は大丈夫なんですか!?」
「そこまで酷くはないが、どうやら皇位争いに巻き込まれた。誰の仕業か第三者としてエルリス公爵が調査に入るらしいから暫く警備が厳重になる」
「あぁ…うちも調査対象で家業が大々的に出来ないと」
「そう言うことだ」
「ウチで療養するのに?」
「形式上、捜査対象と言うことだ。一応だが元皇族のミハエルを養子として迎え入れたのだ。皇族への恨みが動機などと貴族派からイチャモン付ける可能性だってある」
「分かりました、兄上。心配なので第七皇子様が到着されたらお怪我を診せて頂きたく思います」
「なぜ?医者でもないのに」
「一応闇の魔法でも治癒は可能です」
「それは凄いな」
執務室を後にすると、玄関ホールにいた執事含め、ざわつき始めた
とうとうきたのだ、腹違いの第七皇子様が。




