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レズ美少女天使 流川水面編

僕は窓の方に顔を向けて外を見る。

(見つかったらやばい、やばい)

とっさのことに今は《《俺》》ではないのに顔が見られないように隠してしまう。

(あ、いまは《《僕》》だ。バレるわけないね。まあ、反対向いたしわざわざ流川さんを見なくてもいいか)


「佐伯くん、どうしたの?見ないの?

あんな美少女、なかなかお目にかかれないよ」

「いや、いい。興味ないから」

「相変わらず硬派だね。もしかしてゲイ?もしくはバイ?」


ガチャンッ

またまた驚いて筆箱を落としてしまう。


「それはない。それなら七瀬さんと付き合うよ」

「え〜〜!私と付き合ってくれるの?

やっと決心してくれたんだ」

たまたま通りかかった七瀬さんに気付かずに言葉を発してしまった。

七瀬さんはもうすで涙ぐんで嬉しそうだ。

「誤解、誤解だよ。それはこれから次第でね」

「ウソだったの......」

今度は違う涙を流しそうになる七瀬さん。

「ごめん、ごめん、じゃあ、代わりに今度ご飯でも食べに行こうか?」

「やった〜〜!それなら許しちゃう。いつにする?」


キーンコーンカーンコーン

授業のチャイムが鳴る。


「じゃあ、次の休み時間で」

「うん、わかった♡」


(まあ、仕方ない。これくらいのことは我慢しよう)


キーンコーンカーンコーン


チャイムと共に顔を上げるともうそこには超ニコニコの七瀬さんがいる。


「いつにする?」

「じゃあ、再来週の土曜日はどうかな?」

「もちろん、パパが死んでもそっち優先する!」

「いやいや、それはまずいでしょ」

こんなことを話しているとクラス内がザワザワする。


「また来たよ、四天王筆頭 SSR美少女 流川さんだ」

紫尊くんが他の誰かに話す声が聞こえる。


確かに綺麗だな。天使が降臨したみたいだ。

みんな流川さんがレズだなんて知らないからな。かわいそうに。

今は《《僕》》の状態だ。さっきは焦って隠れてしまったけど今回は気にならない。

僕も野次馬のように見てしまった。


「いててたたっ」

「流川先輩に見惚れないの!」

怒った七瀬さんに頬を引っ張られる。


引っ張られながらも流川さんと目が合う。

あまりのかわいさに一瞬ドキッとしてしまう。

でもバレる心配はない。そう思ってた。


「流川先輩が入ってきた」

「歩き方まできれい」

「まるで天使様の降臨みたい」


みんな好き勝手言っている。

紫尊くんが極め付けの一言を発する。


「ついにこのクラスに四天王が全員揃ったぞ!神様、ありがとう」


僕は頬を引っ張られながらも流川さんの華麗な歩き方に目を奪われ続ける。


(あれっ?なんか流川さんが大きくなってくる)

僕も七瀬さんも近づいてくる流川さんに目が離せない。


七瀬さんと僕は机に向かい合って座っている。頬をつねり、つねられたまま固まる2人。上を見上げると目の前には流川さんがモデルみたいに立っている。

クラス中が固唾を飲む。


「佐伯くん、いた〜〜」

ぎゅうぅ〜

「ちょっ、流川さん、く、苦しいです。たんま、たんま」

流川さんが全く周りの目も気にせずいきなり僕に抱きついてきた。

「ごめんごめん、ついうれしくてハグしちゃった」


『ええ〜〜!!!』

クラス中が驚きの声を上げる。


「七瀬さんだけじゃなくて、流川さんにも手を出しいるのか、あのモブ」

「なんであいつばかりおいしい思いしてるんだよ」

「 SSR美少女ランキングNo.1があのダサ男を選ぶわけないよ」

「たぶん、従兄弟同士だ。じゃないとこれはおかしい」


クラスのみんなは好き勝手言いたい放題だ。


「流川さん、何しにきたんですか?」

「だってこのクラスかわいい子多いっていうじゃん。私も見てみたいなーって思って」

「それ、僕いらないですよね?」

「だって佐伯くんのこと好きなんだもん。それにこれからはずっと一緒なんだよ。早く新生活になれなきゃね」


(まてーぃ!誤解を生むようなことばかりいうのはやめてぇ)


「やっぱり付き合ってるのか?」

「七瀬さんと二股かあいつ、最低」

「四天王2人があのモブを取り合ってる?」


(わかる、わかるよ、外野のみんな、僕が外野なら同じ意見さ)


「離れてください!急に現れて佐伯くんをたぶらかさないでください」

七瀬さんがぷんぷんと怒った顔で割り込んでくる。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


あとがき


流川さんの行動力が可愛過ぎますね!

ここから流川さんの天真爛漫ぶりが露わになりますよ。


面白くなってきた方は

ぜひポイント評価とブクマをよろしくお願いします♪


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