~第8話~
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その後、僕達は森から隣の大きな町に移動した。
当然、攻撃されたと言う知らせは王都にも届き、国境沿いの兵の増強、さらに俺達の故郷であるアヌファグ周辺の防衛強化を行った。
国がアヌファグに軍を派遣し調査した結果、魔王軍による襲撃だと判明した。魔王軍とは、魔王族という魔力を使える種族の中で、最も強い種族がリーダーとなり、ゴブリンなどの下等種族を操ることで編成される軍のことである。
だが、ここで奇妙なことが3つあった。1つ目は、魔王軍はアヌファグの町のみを攻撃し、他の都市には一切手を出していないこと。2つ目は、攻撃が虐殺や土地の占領を目的とせず、まるで何かを探すように町が荒らされていたこと。最後に、攻撃してきた敵軍約1000、全てが皆殺しにされていたことだ。
3つ目のことは、レオニダスから聞いた光る剣を持っていた男の仕業だろうと、僕は予想すた。
僕達は、調査が終わり次第、アヌファグに帰れるだろうと思っていたが、なぜが王直属の軍によってアヌファグは立入禁止地区となってしまった。
僕たちのもとに帰ってきたのは遺体の山だけだった。そして、その中にレニオダスの母も入っていた。
✻ ✻ ✻
人間歴5841年
「ソキウス、いよいよ明日出発だな。」
「とうとうこの時が来たって感じだね。」
ソキウスは少し不安そうな顔をした。
「ねえ、最後にウァラクおじさんから話聞かない?」
ウァラクおじさんとは俺達が住んでいた町の町長で、神話のことに関してどうしてか分からないが、とても詳しい人だ。
元々とても有名な戦士だったという噂や、神話の研究をしていたからとても詳しいという噂や、はたまた神具の所持者であるという噂まで流れるほど謎多き人物だ。
年齢も不明で、ずっと前からアヌファグに住んでいたらしい。80にも見えるし、100を超えていてもおかしくないように見える。
「いいぜ。別に。ウァラクおじさんがどんだけ話を知ってるのか気になるしな。この際だし、全部聞こうぜ。」
ウァラクおじさんの家は俺達の家から歩いて数分の距離にある。アヌファグから移住してきた人たちは、みんな同じ区画に住まされたからだ。
「ウァラクおじさんいますか?」
ソキウスが扉を叩きながら言った。
中からゴソゴソと誰かが動く音が聞こえた。
(今日は居るのか。)
ウァラクおじさんは元町長とだけあってこの町でも忙しい。日々、城に使えており、この1年で凄まじい勢いで出世した。そのため仕事に追われ家にいないことが多いく、今日居ることに少し驚いた。
扉が開き、いつもの白髪に、長い白い髭を生やしたウァラクおじさんが出てきた。
「なんじゃ、お前ら?」
ウァラクおじさんが迷惑そうに言った。昔はもっと優しいおじさんって感じだったのだが、今では全く別人のようだ。
「今、お時間ありますか?」
ソキウスが丁寧に返答した。
「わしゃ、今忙しい。お前らと話とる時間がもったいないわい」
ウァラクおじさんがシッシッと俺達を手で払うような仕草をして、扉を閉じようとした。
「ちょっとおじさん、神話について話聞きたいんだけどさー」
俺が閉じかけの扉に手を挟んでウァラクおじさんに言った。神話の話を聞きたいと言うとウァラクおじさんは絶対に反応すると知っていた。
「ん?神話か?んーーー少しだけなら話を聞いてやっても良いかもしれんな」
思った通りの反応に、俺は笑いを堪えるので精一杯だ。
「僕達が明日、テーヴァの丘を目指して旅に出ることはご存知だと思うのですが、先にどこに行けば良いとか、神話の続きとか、何がありませんか?」
ソキウスが笑いを堪えている俺の横でクソ真面目に聞いた。
「最初にどこに行くかなんぞ、お前達の冒険じゃろが、自分で考えろ。わしもテーヴァの丘がどこにあるかなんぞ知らん。」
ウァラクおじさんが続けた。
「だが、1つだけ気になることがある。」
「なんですか?」
「お前達がどこで何をしようが、お前たちの勝手だがな。もしお前達が神具を手にした時は気をつけろ。」
「何に気をつけるのですか?」
「呪いじゃ、呪い。あの神具共には呪いがかかっておる。特にあの矛じゃ。あれは危険じゃ。」
「呪い?何だそれ?そんなの知らねーぞ。」
俺は思わず口を挟んだ。
「もし、矛に主として認められることがあったら、呪いに取り込まれるなよ。特にレニオダス。お前は単純じゃからな。」
「俺?何が単純だこのおいぼ、、、」
ソキウスが俺の口を塞いで聞いた。
「その呪いってどういうものなんですか?」
「それは知らん。それは知らんがな、、とても危険であることは分かる。剣や盾にはあまり呪いが残っておらぬが、矛と弓が危険じゃ。あれは人が扱えるものではないぞ。」
「もう帰ろうぜ。こんなジジイの話聞いてたって、仕方がねーよ。」
結局分からない事だらけで話が進まないのを感じた俺は、早く行く準備に取り掛かりたかった。
「ちょっとあともう少し話を聞かせて。」
「なら俺は帰るぞ。そんなジジイの話なんか聞いてられるか。」
バカにされ、機嫌を損ねた俺はとっとと帰りたかった。
「レニオダスは先帰っといていいよ。僕はあともう少し話を聞くよ。」
「なら先行っとくぜ。」
俺はソキウスを放って、1人で家への帰り道を歩いた。
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