~第6話~
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俺は森に向かって走りながら、さっきソルダが言った言葉を反芻した。
(神からの貰い物?神具の1つ?)
ありえない。それが俺が出した結論だった。神具やデーヴァの丘は空想上の話のはずだ。
(だが、、、もしそれが本当だとすれば、全てのことに納得がいく。)
それもそうだ。あの人間離れのスピード、一瞬で敵の首を刎ね飛ばした力。聖剣の力のおかげだとすれば、全て繋がる。
(もしかしたら本当にデーヴァの丘はあるのかもしれない。)
そう思ったとき、脳裏に昔ソキウスと交わした約束を思い出した。
(2人で一緒に旅に出て、神具を見つけるって話したっけな。)
思い返すと、高揚するのを感じた。
(確か、あの時はソキウス、盾が欲しいって言ってたような気がするな〜。俺、何欲しいって言ったんだっけ?)
そんな昔話を思い出しているうちに東の森が見えてきた。
(無事にソキウスは着いたのだろうか?)
そんなことを考えながら足を進めた。
森の前まで来たときに、持っている剣を杖代わりし、ヨロヨロと歩いているドリスと会った。全身、緑の血しぶきを浴び、いつも整えられている髪も形が崩れ、荒々しく呼吸していた。
「おい、大丈夫かドリス。」
急いで駆け寄り、体を支えた。右太ももに矢が刺さっている以外大きな怪我はなさそうだ。
「レオニダス、、、ソキウスはどうした?あいつはどこだ?お前ら一緒に逃げたんじゃないのか?」
か細い声で聞いてくるドリスの表情は険しかった。
「心配はいらないよ。ソキウスは先に森にいるはずだ。」
それを聞いてドリスは安心したように見えた。
「すまんな、、レオニダス。もういい歳なのにちょっと頑張りすぎた。」
ドリスはずっと昔、そこそこ名の知られた戦士だったらしい。だが、もう50も過ぎ、老いた身体ではその片鱗もなかった。
俺は町の方に目を向けた。もうここからは町の建物は見えないが、空にまだ煙のあとが見えた。
その後、森に入ろうとしたときに、町の男を数人引き連れて、森を出ようとするソキウスに会った。
「レオニダス!無事で良かった!ちょうど今から助けに行こうとしてたんだ。」
泣きわめいたせいか、充血させた目をまたうるうるさせて言った。
「そんなことよりドリスのほうが重症だ。」
ソキウスが連れてた男の1人が言った。俺は男達にドリスをあずけ、一緒に森の中に入った。
森に逃げ込んだ人は思ったよりいた。ぱっと見50人程度だ。だが、町の人口は300人。逃げ遅れた人が大勢いた事は確かだ。
「ソキウス、俺の家族を見てないか?」
ソキウスは少し悲しい顔をしながら首を振った。
「見てない、、けど、探してみようよ。もしかしたら僕が見落としていただけかもしれない。」
そこから俺たちは日が暮れるまで、辺りを歩き回り人が隠れていそうな樹の下や、岩陰などを探し回った。が、俺の家族の姿は見つからなかった。
「ソキウス、お前の家族はどうした?親父さんは?」
ソキウスが悲しそうな目でこっちを向いた。俺はその顔で察した。ソキウスの父もここにいないのだろう。
近くにあった丸太に座り、太陽が沈み、薄暗くなった森の中で俺達はうなだれた。
そこから長い沈黙が続いた。俺の心の中では悲しみと、怒りが渦巻いていた。ソキウスが時々俺の方をチラチラ見てくるが、憎悪や怒りを隠しきれずにいる俺に少し恐怖を感じているようだった。
俺はこのまま沈黙が続くと、自分がおかしくなると思った。
「なあ、ソキウス。俺、あの絶体絶命の中、どうやって助かったと思う?」
話題を変えることにした。 ソキウスは考えるような素振りをしてから答えた。
「ドリスさんに助けてもらったんじゃないの?」
「いや、それが違うんだ。なんかすっげー剣持ってるおっさんに助けてもらった。」
「すっげー剣ってどんな剣なの?」
少しソキウスにも元気が戻って来たように思えた。
「なんかキラキラ光っててさー。」
「うんうん。それでそれで?」
ソキウスが今度は目をキラキラさせながら聞いてくる。毎度のことながら、よく顔に出るやつだ。
「俺信じるよ。信じることにした。」
「え?何を?」
「走ってる途中で思い出したんだ。俺たちの昔の夢。」
俺はソキウスに向かってニカッて笑ってから言った。
「俺もお前と冒険者になる。それで、絶対テーヴァの丘に行って、矛を手に入れる!」
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