~第10話~
Twitterやってます。
フォローよろしくお願いします
https://twitter.com/romeromero0520?s=21&t=T4FjRuM5DLCW-n-_Gl46xw
関所には合計10人ほどの兵士がおり、そのうちの4人が商人たちの通行手形を確認し、残りの6人で門の警備をしている。
「で、これからどう越境するんだ?」
「方法は2つ、普通に回り込んで行くか、兵士を騙して通るかだよ」
「回り込むほうが良くないか?思ったより兵士の数が多いんだが」
兵が5人ほどと想定していたが、その倍の数だと戦闘になったとき相当に分が悪いと思った。
「去年の襲撃で国境付近を増強したから思ったより兵が多いね。回り込むのもありだと思ったけど、この様子だと、国境沿いにも監視の兵がいそうだよ」
「けど、多分回り込んだほうが捕まるリスクは少なそうだな。行こうぜ」
俺とソキウスは関所の右手にある森に向かってこっそり歩き出した。
「お〜い。お前ら何してるんだ?」
後ろから呼ぶ声が聞こえた。
(まずい。もうバレたのか。早すぎないか?)
俺とソキウスは恐る恐る後ろを振り返った。
「お、やっぱりレオニダスだと思ったぜ。久しぶりだな〜」
そこに立っていたのはソルダのおっさんだった。相変わらずの剃り残した髭とグシャグシャの髪だが、一年前と比べると少し老けたように見えた。
「レオニダス、知り合い?」
ソキウスが聞いてきた。
「あの聖剣使いのおっさん。前、話しただろ?」
ソキウスが少し怪訝そうな顔をしながら、ソルダを見た。
「この人が、、ほんとに聖剣使いなの??」
ソキウスが思ってた姿とは全く違ったのだろう。そりゃそうだ。こんな田舎のおっさんが聖剣使いとは誰も思わないだろう。
「おいおい〜、何だその顔は。おい青頭お前疑ってるだろ?」
「おい、おっさん。ソキウスにも見せてやってくれよ。あの、光る剣をよ。」
ソルダに言った。ソキウスに見せてやりたいのもあったが、自分自身でもう一度光る剣を見たいって気持ちもあった。
「ダメだ。今は。また今度見せてやるよ。あと、この話あんま人にすんなって言ったよな?」
そんなこと言われた気もするが、、一年前の話だ。そんなこと覚えてなくても仕方がない。
「で、お前ら、何しにこんなとこまで来たんだ?」
ソルダが不思議そうに聞いてきた。
「この森入ろうとしてたのか?その先はエルフの土地だぞ」
俺はソキウスの顔を見た。ソキウスはまだソルダのことを信用していない顔をしていた。
「そういうおっさんはどうなんだよ?なんでこんなとこにいるんだ?」
俺は聞き返した。
「今からエルフの土地に行くからに決まってるだろうが。それ以外の理由でこんなとこ来るか」
ソルダはさも当然のような顔をして答えた。
「じゃあ、関所を越えるってことですか?」
今まで黙っていたソキウスが口を開いた。
「おう。そうだぜ、青頭。なんつったって、俺は国王様直々に通行手形を戴いてるからな〜」
ソルダが誇らしそうな顔をして言った。こいつの反応はいちいち顔に出るからわかりやすい。
「なら、僕達も連れて行ってよ。僕達もエルフの国にちょうど行こうとしてたんだ」
ソルダの誇らしげな顔を無視してソキウスが言った。
「お前ら、もしかして違法出国しようとしてたのか?しゃーねーな、別にいいぜ。連れてってやるよ」
あまりにもソルダが軽々しく承諾したから俺は少し拍子抜けした。ソキウスもそう感じたのか、逆にさっきより疑いの目を強くしたように思えた。
「よっしゃー!なら行こうぜ!」
ソルダだけが嬉しそうな顔で関所に向かって歩き出した。
お読み下さりありがとうございます。
レビュー、感想等ありましたらお願いします
ブックマークも忘れずにお願いします




