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私には見える

作者: 碧井 雨沙

私には子供の頃から見えるものがある。


それはだれしもが見えているものだと思っていた。。。


それは運命の赤い糸だ!


なぜか、左手の薬指にみんな赤い糸がついているのだ。


もちろん私にもある。


だが、大抵の赤い糸は切れたままだ。


幸い、うちの父と母はその糸が繋がっていた。


きっと、運命の相手なんだろう。


私はこう考える。。。


もともと、人と人は1つの糸で繋がっていてそれがなんらかの形で切れてしまう。


そして、またその片割れを探して旅に出るのだと。。。


それが1つに繋がる確率はどのくらいあるのだろうか。


もはや奇跡なのではないかと。。。


街中を歩いてる恋人や夫婦を見ても残念なことに半分くらいは繋がっていない。。。それでも、人は1人でいる寂しさをだれかで埋めているのだろう。


私ももちろん、恋はたくさんしてきたつもりだ。


だけど、好きになった人と自分の糸が繋がっていないのを見るとどうしても本気にはなれなかった。


------


高校生の頃、こんなことがあった。。。


私がバイト先で好きになった先輩がいて、その先輩も私のことを好きと言ってくれた。


付き合うことになったのだが、もちろん私と先輩の糸は繋がっていない。。。


そんなある日、私は親友と親友の彼氏とダブルデートの約束をした。


ダブルデートなんて初めてだったのでワクワクしていた。


ところが、4人が集まったとき私は見てしまったのだ。


親友と、先輩の赤い糸が繋がったのだ。


2人は会うのは初めてだったので、私は同様した。。。


これこそ、運命の出会いなのでは?


赤い糸が見えてなければきっと、楽しいダブルデートだったのかもしれないが、私はとても複雑な思いで頭がいっぱいになった。


まるで浮気されたかのような心境だったからだ。


もちろん、親友も先輩も初対面なのでよそよそしい感じのままその日のデートは終了した。


私は次の日先輩に別れを告げた。


先輩は、別れをひどく拒んでいたが、最後は納得してくれた。


その後、もとのバイト先の先輩後輩の関係に戻ることになったのだ。


きっと、私に赤い糸が見えていなければ別れることはなかったのかもしれない。


いや、いずれ別の理由で別れていたのかも知れないが。。。


私は、親友と先輩を観察することにした。


このふたりがいつ再会し、いつ結ばれるのか。


私が2人を会わすことは容易いことだが、私は運命を見守りたかった。


それから高校卒業まで、親友は彼氏と別れることはなかった。


私たちはそれぞれ別々の進路を進み、連絡もほとんど取らなくなっていた。。。


------


久しぶりに親友と再会したのは成人式のときだった。


高校卒業以来の再会だったので私たちは積もる話もあり、朝まで飲み明かした。


親友は高校卒業後、彼氏と別れて今はフリーだと言っていた。


ふと、私はあの時のダブルデートを思い出した。


赤い糸の話をしても信じてもらえるはずはないのだが、初めて親友にその時のことを話した。


親友は、そんなことあるわけないと信じていなかった。


私たちはそれ以来また頻繁に連絡を取り合うようになっていた!


そんなある日、お互いの就職が決まったのでお祝いをすることになったのだ。


たまたま入った居酒屋であの時のバイト先の先輩に再会したのだ。


バイトを辞めてから先輩とも連絡を取っていなかったのでとても驚いた。


ところが、もっと驚いたのは親友と先輩の赤い糸が再び繋がったからだ


私は感動した!


これはもう運命と呼ぶ以外何者でもないと思ったからだ。


先輩も彼女がいないとのことだったので、私は親友を紹介した。


親友も半信半疑で、とりあえず連絡先を交換した。


その後2人は連絡を取り合うようになり、何回か会っているうちに意気投合し、付き合い始めたのだ。


なんだか私はとてもうれしかったのと少し誇らしげに感じていた。


私ってもしかして前世は恋のキューピットだったのでは?(笑)


って、そんなあほなことを言ってる場合ではない。。。


私の片割れはどこにいるのだろう。。。


私もいつかそんな運命の出会いがあるのかな?


現世で出会えるのは本当に奇跡かもしれない。


私は今もその相手を探し続けている。。。







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