5話 フードコートで食事
ここはイオンのフードコート。
家族で来てる人が多いようだ。そういう俺達も家族だけど。しかし学校を休んでこんな昼間にフードコートに行くのは生まれて初めてだ。真面目だからね。隣にいる凛はホルターネックのキャミソールにチマヨ柄のパーカーを着ていて、ししゅう付きのロングスカートにサンダルを履いていた。
「映画、楽しみだね」
「確かに楽しみだな。俺はコロッケ蕎麦を頼むけど、お前は?」
「私も兄と同じやつを食べるよ」
凛は麺類で『ラーメン』は食べないが蕎麦なら食べるらしい。油は駄目という事。今から健康貯金とアンチエイジングに熱心なのだ。注文してしばらくすると【コロッケ蕎麦】が出てくる。食べる俺達。
「コロッケと蕎麦に【相乗効果】は無い。それぞれが独立した強さによって成り立っている。カツとカレーが持つような【相棒】感は無い」
「さっきスマホで『兄妹で付き合う事になった』って友達に報告したら…。『兄さんに無理矢理、挿れられた』って返事が返ってきた」
「冗談だろ?」
「【八橋帰依】、お兄ちゃんの元カノだった人だよね?妹の友達に手を出したうえ、無理矢理とか…マジで最低すぎない?」
スマホを見せる凛。帰依ちゃんは妹の親友だった娘だ。妹と遊ぶために家に来ていた子で俺に懐いてくれたために好きになった。妹がいない時もこっそり外で会うようになって俺から告白して付き合うようになった。俺の部屋で帰依ちゃんを抱きしめている時、彼女の身体に熱がこもってきたので、おちんちんを挿れるべく彼女の顔の前にそれを差し出したのだ。皮の被った、小さな子供ちんちんを見た彼女は『何?その粗末なおちんちん。キモいから近づけないでくれる』って言った上、元彼のおちんちんと俺のおちんちんを比較しだしたのだ。普通なら嘆き悲しむシーンなのかもしれない。だが俺はその時、めちゃくちゃ嬉しかった。処女の子を騙して、俺のおちんちんが標準サイズだと嘘をつくより元彼がいた子におちんちんのサイズを比べられる方が気持ちがいいという事に気付いた。しかし俺はマゾではない。ただ…それがたまらなく感じてしまったので、つい帰依ちゃんに無理矢理、挿入したのだ。決して悪気があったわけではない。その後、帰依ちゃんに思いっきり粗チンを蹴りあげられたうえ、グーで殴られたが通報されなかっただけマシと開き直っていた。
「最低だな…」
俺は自分の行動に対する感想を漏らした。
「もう死んだほうがいいよ。お兄ちゃん」
確かに