この王女様はとても可愛いのです!
「えっと・・・・・・別に構いませんが」
俺はそういう。
実際、今の俺一人でこの地を生き抜くはとても難しい。
メンバーに入るのは、ここを生き抜くのにとても良い選択だと思う。思うんだけど・・・・・・この人可愛いんですけど。めっちゃ可愛いんですけど。
「ところで、私が先ほど放ったスキル、どうやって回避したんですか?」
アカネは不思議そうにそう言う。
言っていいのかな?まあ、いいか。言ったら死にそうになったりとか無いだろうし。
「≪収納≫っていう固有スキルで収納したんですよ」
「固有スキル≪収納≫ですか。勇者のスキルも収納できるなんて便利ですね」
笑いかけながらそう言う。
なんでだろう。妙に緊張してしまう・・・・・・。
これまでずっと引きこもっていて、二次元以外の女性と話すことが少なかったからかな。いや、なかったか。
ひきこもる前までは、こんなに緊張しなかったのに。
「今頃だけど、貴方の名前は?」
「オ、オダ ユウサクです」
「ユウサクね。これからよろしくねユウサク!」
そう言って、俺の手を両手で包み込む。
手の温かみが、俺の手に伝わってくる。
ドキドキする。めっちゃドキドキするんですけど。
視界の端では、マルクと呼ばれた少年がこちらを見ていた。
まるで、親の仇を見るような眼で。
しかし、その時俺はそれに気が付かなかった。
しばらくすると、王女様が。
「さて。そろそろ行きますか」
「えっと王女様?今からどうするのですか。」
「王女様って呼ばなくていいよ。アカネって呼んで。あっ、さんとかもつけなくていいから。」
と、言った。
王族を呼び捨てにしてしまっていいのかな?
うん・・・・・・さんはつけたいところなんだが。
「ア、アカネ?今からどうするの?」
と聞く。すると。
「ありがとう!初めてアカネって言われたわ。とっても嬉しいわ!」
とはしゃぐ。
多分、身分が身分なので今まで呼び捨てで呼ばれたことがなかったのだろう。
そうした中、呼び捨てで呼んでくれたことがとてもうれしかったのだろう。
しばらくすると、アカネは深呼吸をして。
「ふう・・・・・・取り乱しちゃったね。これから、まだ時間もあるしモンスター狩りを続けようかなって思ってるの。」
「そうなんですか」
「ところで、ユウサクは何も武器持ってないけど大丈夫かしら?」
その言葉で思い出す。
先ほど、モンスターによって壊されたのであった。
どうしよう。俺何も武器持ってないよ・・・・・・。
そう考えていると。
「タスク。予備の剣をユウサクに渡して」
と俺の考えを見透かしたかのように言う。
わたされた剣を見てみる。
その剣は、いたってシンプルで、デザインのついていない剣だったが軽く、丈夫なつくりをしていた。握ってみると、不思議と手がなじむ。
「その剣はね、王都の職人に作ってもらった剣なの。だからとても手に滲みやすいと思うわ。」
「ありがとう。アカネ。」
感謝の気持ちを述べると、アカネはうれしそうに微笑む。
アカネと呼ばれたことがうれしかったのだろう。
アカネは、笑みを浮かべながら。
「さあ。ユウサク、みんな。行くわよ!」
そう言って、森の外へと進んでいく。
改変:剣が件になっているところがありました。すいません・・・・・・。
そして、誤字報告をしてくれた方。ありがとうございます!