この出会いは異世界での物語の始まりです!
「住居と食料はまず大丈夫かな」
そう言って俺は、元居た平原に戻ろうと、歩き出す。
ここに来るときはあまり気にしていなかったが、よく見てみると元居た世界にはない植物や果実があった。
「へー。美味しそうだな。でも毒あったらまずいしね・・・・・・」
そう。ここは平原のど真ん中。病院もなければ、家の一つもないのだ。もし、食中毒などになってしまったら、そこで終わりなのだ。
俺は、その果実をあきらめ進む。
すると。
「へっ・・・・・・」
視線の先には。
「なんで魚が木になってんの?」
魚が果実のように、木にぶら下がっていた。
・・・・・・。
異世界だし、違うところがあってもおかしくないか。
でも魚が木になるって・・・・・・。
試しに俺はその魚を収納してみる。
「えっと『サワラ』ってまさか」
その木の枝を折り、収納してみる。すると。
「・・・・・・サワラの木の枝」
・・・・・・。
俺は何もなかったことにして、先に進む。
その周りには、ヒイラギやホヤなどが木に実っていた。
・・・・・・。
なんでもありなんだなこの世界。
そう思っていた瞬間、前に大きなモンスターが現れる。
そのモンスターは先ほどのオークより一まわり大きかった。
「もう、いいんですけどぉぉぉ!」
そう言って、俺はその場から逃げ出す。
もちろん、モンスターはそれを追う。
「魔法っぽいの、相当打ってくるんですけど!」
魔法を放ちながら追ってくるのだこの魔物は。
(魔物が魔法使うってありなの?!)
そう思いながら全力疾走する俺のそばを魔法の何発かが通り、地面をえぐる。
「死ぬ、死ぬ、死ぬってこれ!」
そう言って、大剣を召喚する。
大剣は、先ほどのように手の中に現れる‥‥‥が。放たれた魔法によりきれいに砕け散る。
・・・・・・。
どうすればいいんだこれ。
「そうだスキル収納なら!」
そう言って、俺は後ろを向く。
その瞬間、遠くから。
「エクスディション!」
と聞こえた気がした。
俺は気のせいだと思い、スキルを発動する。
「くらえ、スキル≪収納≫!」
その瞬間、モンスターはその場から飛びのく。
そして遠くから、斬撃がエネルギー化したようなものが飛んでくる。
そして、それが収納される。
・・・・・・何なんだこれ?
そう思いながら、先ほどのモンスターを見る。
そこでは。
「氷結斬・乱舞!」
冷気をまとった剣で放たれた十連撃により、モンスターはばらばらにされていた。
そして。
「お怪我はありませんか?」
と聞かれた。
大丈夫ですよ。収納できたんで。
とは言わずに。
「あっはい。大丈夫です」
と、言葉を返す。
すると、予想外の言葉が返ってきた。
「私の仲間になりませんか?」
えっと、仲間って・・・・・・。
「えっと、まずあなたは誰ですか?」
そう問う。
すると。
「き、貴様、この方を誰だと思っている!」
と、盾と短剣を持った自分と同じ歳ぐらいの少年が、俺に怒鳴りつける。
「マルク。落ち着きなさい」
その少年はそう言われ黙り込む。
その女性は、続けて言う。
「私はエデン・ルイザネス・フォルト・アカネと申します。この国≪エデン≫の第一王女にして、剣の勇者でもあります。どうぞ私のことはアカネと呼んでください。」