このスキル【収納】は万能なんです!
「はあぁ・・・・・・はぁ・・・・・・。」
俺は、その場に倒れ込む。
(き、キツい‥‥‥これまでろくに動いてなかったから、体力がもたない‥‥‥‥。でも速く走れてたのはなんでだろ?)
荒い息を整えようとしていると、視界に文字が表示される、。
「えっと・・・・・・≪レベルが2になりました。これにより収納できる量が増えました≫か。」
オークを倒したことでレベルが上がり、スキル【収納】も強化されたのだった。
(成る程。レベルが上がるほどスキルも強化されていくってわけか。)
俺はスキルの仕組みを少し理解し。
「スキル【収納】があってよかった・・・・・・危うく死ぬところだった」
そういってため息をつく。するとフワッと爽やかな風が吹く。その風は自分の心まで爽やかにしてくれそうだった。
「さて。これからどうするか」
そう言って、立ち上がる。
そうここは王城らしきものが遠くに見えるとは言っても、今からそこに行こうとしたら、夜にはなるだろう。
夜までかからないなら、俺はすぐさま向かっただろう。だが昼とは言え、オークがいた。そして夜になれば今より多くのモンスターがあたりをうろついているだろう。
武器を持っているとはいえ、夜を生き抜く力は持っていない。
だが、ここで外泊をしなければいけないのは町に向かおうが向かわなかろうが、変わらない。
だからこそ俺は悩んでいた。
が、その時。
「あれっ・・・・・・。あれはなんだ?」
そこには、小さな木造の小屋があった。おそらく先はどのオークが住んでいたのだろう。
俺は、寝床にしようと考えその小屋に近づく。
「ほう。なかなかいいじゃないか」
その小屋は、二畳ぐらいの広さがあり、簡素なドアがついていた。薄汚いが、少なくとも寝床にするには十分だった。
「だが問題はある場所だな・・・・・・」
そう。今はまだ朝日が昇ってまだ二時間程度しかたっていないぐらいだった。しかし、ここを拠点とすると、町につくためには朝日が昇る前にここを出らなければならないのだ。また、町についても戻ってこようとすれば、帰り着くころには夜になっているだろう。そして、町で一泊するにも、現在俺は正真正銘の無一文で、一泊すらできないのだ。
その時、スキル【収納】の能力を思い出す。
「確か【収納】は、生命体以外ならなんでも収納できるんだったけ?」
俺は、その小屋に手を置き【収納】を発動させる。
すると。
「・・・・・・。便利だなこれ」
自分の前にあった小屋が突然消えたのであった。
そして、俺の収納欄には小屋があった。
ーーーそう。
【収納】によって、小屋が収納されたのであった。
「‥‥‥これで、一つ問題は解決したな」
そう言って、俺は次の問題を解決すべく行動する。
まだ、食料問題は解決していなかった。
俺は、食料を確保するため森の中に入っていく。
すると、少し進んだ先に。
「おっ!これリンゴじゃん。」
そこには、たくさんのリンゴの木があり、そこにたくさんのリンゴが実っていた。そのリンゴは太陽の光を反射し、みずみずしさを強調していた。
俺は≪収納≫を使いそれらを収納する。そして、収納欄を見てみるとそこには一週間ほどは食料に困らない程度のリンゴが入っていた。
「スキル【収納】、いや。万能スキル【収納】。便利だな」