この手紙はお世話になった家族に送るのです!
拝啓
爽やかな秋風が心地よい季節になりました。お母様、お父様には、相変わらずご健勝のこととお慶び申し上げます。
お母様はへそくりを貯める前に、ご飯をどうにかして下さい。三食卵かけご飯だとお父様がいずれ泣き出しますよ?お父様は逆にお金をもうちょと大事に貯めて下さい。通帳の残高、五桁を下回ってましたよ?
さて私は、元一国の王女様とともに、『スローライフを送ること』を目標に暮らしております。
さて、私は只今人里離れた場所に作られた町にいます。なんでもこの前、久しぶりに外に出た瞬間、前触れもなく異世界に召喚されてしまいました。しかもそこ、町から結構離れてるんです。
何か使命があるのかと思えば、特にありませんでした。なので【最強の威力を誇る異能力】みたいのはなく、あったのはそれだけでは攻撃力を持たない、なんでも収納できる自分だけのスキル【収納】だけでした。
ところがこれ、結構便利なんです。家から食材、敵の魔法に至るまで、なんでも収納できるんです。
とても、便利なんで、これを使って森に植物採取に出たんです。そしたら、剣の勇者が放ったスキルが、私の方へと飛んできました。
さすがに死ぬと思ったら、なんということでしょう。そのスキルを収納できちゃいました。やっぱり、収納スキル便利ですね。
そしたら、剣の勇者でこの国≪エデン≫の第一女王である、アカネ(本名:エデン・ルイザネス・フォルト・アカネ)に、仲間にならないかと誘いを受けてしまいました。
同じ歳ぐらいなのに、立派です。自宅警備員(仮)である私とは大違いです。
さて、勧誘され、王女様の仲間になった私ですが、私と同じく王女様の仲間だった男に決闘を申し込まれたあげく、嵌められてしまいました。しかも、王様までもそれに関与してるんです。皆そのとき目が異常でしたね。
なんででしょうか、私何かやらかしましたかね。そんなことがあり、国を追い出されてしまい、国境で殺されかけていた私ですが、王女様が助けてくれました。
なんと王女様、私を救うため国を出てきたんです。いやあ。優しいですね。
途中頭のおかしい魔法使い集団やイリス教とあったり、国に指定されている賞金首の邪龍と戦ったりしながらも新たな生活を始めるため人里離れたところに街を作りました。海もあるし、川もあるし、山もあるし、とても落ち着く場所です。
そこで、農業をしたり漁業をしたりと、ほのぼのしたスローライフを‥‥‥送れていません。送りたいです。
なんでも戦争に巻き込まれたり、大罪教に絡まれたり、魔王軍幹部と戦ったりと、まったくほのぼのした日常を送らせてくれません。なにかの嫌がらせですかね?
なんで『スローライフを送ること』を目標に日々頑張っています。でも到底スローライフを送れそうにはありません。
できれば、お母様たちに今の生活を見てほしいです。あの時の自堕落な生活とは大違いです。
王女様が今、私に殴りかかってきているので、これで失礼します。お元気で。
敬具
追記 自分の机の引き出しの中は絶対に見ないでください。いろいろと見せれないものが入っているんで。
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