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この戦いは終わるのです!

 

 「‥‥‥?」 

 「どうしたアカネ?」

 

 俺はアカネがいきなり止まったので不思議に思いそう尋ねる。


 「いや、遠くから、邪悪な気配と戦いの音が‥‥‥」


 アカネがそう言うので俺は耳を澄ましてみる。遠くからはアカネの言う通り、爆発音が聞こえる。


 (なんで爆発音が? 遠くで何かあったのかな?)


 俺はそう思い尋ねる。


 「確かに‥‥‥どうするアカネ?」

 「うーん。ユウサクは体の方は大丈夫?」

 「まったく問題ないよ!」


 俺はそうきっぱりという。

 それを聞いて安心したのか、ふうぅ吐息をはき。


 「めぐとタスクは大丈夫?」

 

 そう尋ねる。

 めぐとタスクは大丈夫と即答する。

 それを聞いてアカネは俺たちに呼びかける。


 「皆! いくよ!」


 そして俺たちは音のした方へと歩いて行く。


 ******


 「いきますよ!」


 そういってリアはイオとともに空一面を覆い尽くすほどの氷柱(つらら)を形成する。そしてそれらすべてにバルスが魔力を込める。


 「はあぁぁぁぁ!」


 そう叫びリアはライムの方へと手を突き出す。するとそれが合図となったのか、氷柱の雨が空気を切り裂きながらライムへと襲いかかる……が。


 「無駄無駄無駄無駄、無駄なのです!」


 それらをライムはすべて弾き、喰らう。そして喰らった氷柱を体内へと吸収する。するとライムの身体は一段と大きくなり、強い魔力をその身体から放つ。


 「ほう。それならこれはどうだ!?」


 そういってバルスは地面から一握りの砂を握り、思いっきりライムの方へと投げる。砂は弾丸のように一直線に飛んでいき、ライムの身体に直撃する。


 「こんなもの。」


 そう言いかけたときだった。


 「ルハハハハハハ!」


 バルスが大笑いする。それと同時にライムの身体に食い込んだ砂粒が爆発し、ライムの身体の一部を飛ばす。そしてバルスは大笑いしながら指をパチンとならす。

 するとライムの足下の大地が盛り上がり、またしても爆発。


 「ほうれ!天まで届いてしまうがいい!」


 ライムの身体は爆発により、空高くへと打ち上げられる。

 それを見計らって。


 「いきますよ! バルスさん!」


 リアはそう言ったのと同時に地面にいくつもの氷で作られた剣山を形成し、バルスも遅れて岩石でできた棘を地面に作り出す。


 それを見たタニザキは二人の考えを理解したのか。


 「そういうことですか‥‥‥」


 そう納得する。


 「吾輩が予言しよう。汝が隠し持っている例のものが勝負の決め手になるかもしれないだろう。」

 「すべてお見通しってことですかバルスさん。」


 そういってまたしても詠唱を始める。


 「力の根本たる我が命ずる。盾よ今こそ呪われし原始の力を解き放ちこの世の力を支配せよ。『カースグラビティーシールド』」


 そういった瞬間、タニザキの体に赤色の禍禍しい模様が走り、模様は盾にも浸食していく。そしてタニザキの体はほんのりと赤黒く光り、足下の地面にヒビが入っていく。まるでタニザキにかかる()()()()()()かのように。


 「ほう。これが呪われし破壊の力『カーススキル』か。」


 バルスが意味ありげにそう呟く。


 「重力に押しつぶされろ。『グラビティープレス』!」


 タニザキがそう叫びスキルを発動させる。すると空高くにいるライムの体にかかる重力が何十倍にもなり、ライムの体はものすごいスピードで落下していく。そして落下していく先にはーいくつもの棘が突き出している。


 「死ね。」


 タニザキがそう言ったのと同時にまたライムが加速し、棘に刺さる。


 「ポンコツ店主よ。今が好機であるぞ!」


 バルスは待機していたリアにそう言う。


 「了解しました!」


 リアはそういってライムの頭上に氷の塊を作っていく。その塊は徐々に大きさを増していき、ゆうに二十メートルを超えようとしている。バルスはそれに大量の魔力を詰める。そして。


 「いけ! リアよ!」

 「だぁぁぁぁぁぁ!」


 その塊はタニザキのスキル『グラビティープレス』の力も借り、ソニックブームを放ちながらライムへと襲いかかっていく。


 「ぎゃあぁぁぁぁぁお!」


 ライムは奇声をあげながら、波動砲を放つ準備をする‥‥‥が。


 「ルハハハハハハ! あらがっても無駄であるぞ? ライムよ!」


 『グラビティープレス』の効果でその場からライムは動けないので、バルスは挑発的にそういいながら、刺さっていた棘をすべて爆破する。そうされたことによりライムは波動砲の準備を邪魔され、氷の塊を避けることが出来なくなる。


 ライムの瞳に焦りが現れる。しかしそこからは死ぬことへの恐怖は感じられない。むしろライムからは死ぬことへの喜びが感じられる。多分ライムが焦っているのは『満足に食えない』からであろう。


 氷の塊がライムに着弾し、突き刺さる。そして爆発し、内部から体を消し飛ばす。

 この時『暴食』との戦いは幕を閉じたのだった。しかし大罪教との戦いはこれからだった。

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