この『暴食』担当は断罪されるのです!
王都のすぐそばにあるハイガス大森林にて。
ユウサクがマルクと決闘を行っていた時、いち早く気配に気が付き、パーティーを抜け出していたタニザキはある男と対峙していた。
「お前何者だ?」
タニザキはその男に声のトーンを変えずにそう問う。
するとその男は深々と頭を下げ。
「私は大罪教『暴食』担当、デットヴェノムスライムのライムです。以後お見知りおきを。」
そうゆっくりという。
大罪教。それは『あるもの』を崇拝する、イリス教に劣らないほど頭がいかれた狂信者が集まる宗教。大罪教は『原罪』『大罪』『罪なる者』の三つの位に分けられている。そして『大罪』は『憤怒』『怠惰』『傲慢』『色欲』『嫉妬』『暴食』『強欲』の七つに分けられている。大罪教に関してはまだほとんど知られておらず、『あったら殺せ』といわれるほど危険であるという事しか知られていない。
「何しにここへ来た。」
タニザキはさっきを出しながら、ライムにそう問う。
するとその瞬間、あたりの空気が冷え切る。
「何って・・・・・・決まってるじゃないですか。喰らいに来たんですよ。人を獣人をエルフをすべて。」
ライムはそういって自分の手を噛みちぎる。
その手からは血ではなく、毒々しい色をしたスライムがあふれ出る。
あふれだしたスライムは周りにある木々を貪欲に喰らい、消化していく。
「ここで死んでもらうぞ『暴食』」
そう言ってタニザキは盾を構える。その瞬間、その盾はアイギスへと形を変える。
「サアワガカテトナルノデス!」
そう言ってライムは闇色の波動砲を放つ。
しかし。
「スキル『暴食』!」
放たれた波動砲はタニザキのスキルにより、盾へと吸収される。
「まだまだ! スキル『アイスカウンター』!」
その瞬間タニザキの周りにいくつもの魔法陣が現れ、その魔法陣が放つ光はどんどん強くなっていき。
「発射!」
その掛け声を引き金に一斉にライムに向けていくつもの氷の塊が放たれる。
砂埃。あたりに強風が吹き荒れ、あたりの木々の葉を散らしていく。
「やったか?」
そう言ってライムがいたほうを見据える。
しかし。
「ホウ・・・・・・ヤルデハナイカ。」
カウンタースキルはほとんどの場合が物理的なもので、今回のカウンタースキルはライムにはあまり効果がなかったのか、うろたえることもなく堂々とそう言う。
「・・・・・・まあこれではだめだったか。それならこれは」
そう言いかけた時だった。
「ヒュドラ!」
「ッ!」
ライムがそれを遮るように、タニザキに猛毒での攻撃を打ち込む。
だが、タニザキには『毒無効化』という特性があり毒は効かない。
聞かないのだが。
「特殊スキル『アジ・ダハーカ』!」
タニザキはそう叫ぶ。その瞬間背後にまたしても魔法陣がいくつか浮かび上がりそこから有翼の龍蛇アジ・ダハーカの首から上が現れる。そして現れたアジ・ダハーカは猛毒をいともたやすく喰らい、そのままライムを縛り上げく宙に浮かせる。そしてアジダハーカはタニザキが持つスキル『ドレイン』を使い、体力・生命力・魔力を無慈悲に喰らっていく。これではどちらが『暴食』なのかがわからない。
「クッ・・・・・・」
その瞬間、ライムの顔に焦りが生じる。
そうスライムには物理攻撃は全くを持って意味をなさないので。しかし魔法攻撃の場合はマジックイータースライムではない限り通常道理ダメージを与えることができるのだ。そしてライムの一番の長所は猛毒を扱えることなのだ。しかしタニザキが持つ『毒無効化』の前ではその長所は全く役に立たないのだ。
タニザキはアジ・ダハーカに締め上げられているライムを見ながら詠唱を始める。
「父なる大地は汚れし罪人によって汚染される。光は罪人に裁きを下し、汚れた大地を浄化し元の楽園へと戻す。力の源たる我が命ずる。天よ。我が魔力を糧とし、かの愚かなる罪人に裁きを下せ。『ファイナル・ジャッジメント』!」
その瞬間天から光の塊がライムへと降り注ぐ。その光はライムを一瞬のうちにして消し飛ばし、あたりの木々や大地を消し飛ばす。そこ光景はまるで、天からの裁きのようであった。




