この思いは受け継がれていくのです!
「・・・・・・ここは?」
俺はそっと目を開けあたりを見渡す。
確か俺は・・・・・・そうだ。タニザキさんのスキルで・・・・・・。つまりこれはタニザキさんの記憶なのか?
そう思っていた時、隣から。
「これは僕の十年前の記憶。ちょうど中学校に入学した時ぐらいの記憶。」
そう語っていたのは。
「・・・・・・タニザキさん・・・・・・これって・・・・・・。」
「・・・・・・。」
暗い顔をしたタニザキさんが俺のそばにいた。
タニザキさんから少しだけ怒りの感情が漏れる。
その先には・・・・・・。
「や、やめろ・・・・・・。」
「やーい。泣き虫!悔しかったらやり返してみろ!まっ、出来たらの話だけどな!」
「「だな!」」
三人の男の子が一人の男の子を囲んでいじめていた。
「この時僕の家はとても貧しくて、服も靴もボロボロだったんだ。それが原因で中学校でいじめられていたんだ。」
「・・・・・・。」
「・・・・・・いじめはひどくて、教科書をトイレに投げられたり、倉庫に閉じ込められたこともあったんだ。」
なんて最低な奴らなんだ。
貧乏ということを理由にいじめるのは、いくらなんでもひどいと思う。
しかもいじめの度が過ぎている。
俺がそのいじめの実態に怒りを覚えていると。
「でも。毎回、ハルカっていう名前の幼馴染が毎回助けてくれたんだ。」
タニザキさんが俺に向かってそう語る。
タニザキさんの顔が少し優しくなる。
小さな喜びの感情の隅に後悔があるような顔に。
そして。
「多分僕は、ハルカがいなかったら生きることをあきらめていたと思う。」
「誰もが欲しがるような優しい幼馴染ですね・・・・・・。」
「ああ・・・・・・。」
そう言って少し暗い顔になる。
「でも・・・・・・僕にやさしく接してくれたハルカを僕は、守れなかった。借りを・・・・・・返すことができなかった・・・・・・。」
そう言ってタニザキは拳を握りしめる。
「・・・・・・ハルカさんに何かあったんですか?」
俺はそう恐る恐る聞く。
「・・・・・・あれはとある雨の日だった。ハルカと僕は一緒に帰っていた。・・・・・・その時僕はハルカと帰れて少しうれしかった。それで少しテンションが上がってたんだ。でも・・・・・・曲がり角で僕は確認もせずに飛び出したんだ。そしたら車に・・・・・・引かれかけたんだ。幸い僕は無傷だった。」
「僕はってまさか・・・・・・。」
「そのまさかだよ。僕が無傷だったのはハルカが僕を突き飛ばしたからなんだ。そしてハルカは・・・・・・・・・・・・僕をかばったせいで死んでしまったんだ。」
タニザキさんはうつむきながらそう言う。
「僕はいまでも後悔してる。あの時飛び出さなければ・・・・・・・僕がもうちょっと周りに気を付けていたら・・・・・・引かれたのが俺だったら・・・・・・ってね。」
「・・・・・・タニザキさん・・・・・・。」
「でも今こうして生きていられるのはハルカがいたおかげなんだ。だから。だから僕はハルカがつないでくれたこの命を使ってハルカの分まで生きるって決めた。それが借りを返す唯一の方法なんだ。」
タニザキははっきりとそういう。
そして。
「この命でみんなの命をつないでいくことが盾の勇者に与えられた使命なんだと僕は思う。」
そう言ってこちらを向く。
「あの時ハルカが僕はにかけてくれた言葉・・・・・・。『相手が誰であろうと救って命をつなげて。私たちがここにいるのは、誰かが命をつないでくれたからなんだ。だから。これから命をつないでいって。つないだ命は世界を明るく照らす光になるから。』・・・・・・ハルカの言葉・・・・・・つないでもらった命・・・・・・ハルカの意思・・・・・・絶対につないで見せる。」
ユウサクはそういって空を見上げる。
その瞬間、視界が急に明るくなる。
思わず俺は目をつぶった。




