この書庫はすべてがそろってるのです!
「パーティーまでまだ時間あるけどどうする?」
謁見の間を出た俺たちはこれからどうするかを悩みながら歩いていた。
「ユウサクは何かしたいこととかある?」
「特にはないかな。でも勇者のことに関して知りたいことが・・・・・・。」
俺がそういうとアカネは立ち止まり隣にあった扉を開ける。
「ならここで勇者に関して教えてあげる。」
そう言いながらアカネは中へと入っていくので俺たちもついていく。
「ここって・・・・・・。」
「ここは王城にある国内最大級の書庫よ」
俺たちの前にはあたり一面を覆いつくすぐらいの書物がいくつもあった。
「す、すごい・・・・・・。」
「ここには国内だけではなく他国の本も全種類おかれているわ。料理本から魔導書・禁術の書物まで揃っているのよ。」
あたりを見回すと、『初級魔導書』や『オムレツの作り方』・『林のくまさん』・『中位悪魔召喚法』と書かれた本など様々なものがあり、その中には。
・・・・・・これ十八禁コーナーとかにあるやつじゃん。
そんな感じで、様々な種類の本が置かれてあった。
「ここに座って。」
アカネはそういいながら椅子に座る。
そこには小さな丸机があり、向かい合うように椅子が置かれていた。
俺は椅子を引きそこに座る。不思議とその椅子の座り心地がとてもよく、包み込まれるような感触だった。
俺が座るとアカネはゆっくると話し出す。
「勇者ってのはね神聖武器を扱う人のことで、勇者は神聖霊が選ぶの。選ばれるのはこの世界の人だったり獣人、エルフだったりするの。そして時々それはこの世界じゃない異世界の人だったりするの。」
「どうやって神聖武器を授けられるんですか?」
「神聖霊に選らばれたものには、神聖霊から伝言が伝えられるの。『あなたは神聖霊に選ばれました。あなたには今から神聖武器を授けます。どうか世界をお救いください。』ってね。この伝言が終わったら天から神聖武器が下りてくるの。」
成程。
つまり神聖霊に選ばれたら絶対に勇者にならないといけないってことか。
「異世界から来た勇者ってどうやってこの世界に来るの?」
俺は、自分がこの世界に来たことと関係があるかもしれないと思いアカネに問う。
「異世界から来たって言ってる人はその声を聞いた瞬間ここに来ていたって言ってたね。」
・・・・・・来た時何も言われなかったしそれとは別なのか。
「そういえばユウサクってどこから来たの?珍しい名前してるし。」
「まあ言っても信じてもらえるかはわからいけど異世界からきたんだ。」
・・・・・・。
信じてもらえるわけ・・・・・・。
「そうなんだ!だから珍しい名前してたんだ。」
信じてもらえた。
信じてもらえたんですけど。
「異世界から来たって疑わないの?神聖武器持ってるってわけでもないのに・・・・・・。」
「ユウサク聞いて。」
そう言って俺の方をまっすぐ見る。
「この世にはねユウサクと同じように神聖武器を持たない異世界人が時々この世界に来るっていう伝説があるの。その伝説では神聖霊とはべつの聖霊が異世界から連れてきてるって言われているの。そしてその連れてこられた人たちは『固有スキル』と呼ばれる特殊な力を所持しているの。その力はとても強力で勇者をしのぐほどの力を持つって言われているの。だから伝説の中では『救いの迷い人』って呼ばれているの。」
成程。
つまり俺はその聖霊によって連れてこられたってわけか。
「伝説だけどね。まあユウサクが使ってた≪収納≫を見た感じ伝説は本当のことなんだろうね。」
「ちなみにその聖霊って結局何者なの?」
俺は話を聞いていて気になったことをアカネに問う。
「・・・・・・地方各地で呼び名は違がうけど、異世界から来た人はこう呼んでいる。」
俺は無意識のうちに唾をのむ。
「誘拐犯ってね。」
・・・・・・異世界から来た人のネーミングセンスどうなってるんだろ。
もっといい呼び方なかったのかな。
俺はそう思いながら、いろいろなことについて話していく。




