鉱石掘りと夕飯と
カンッカンッ
音が響く。ただただ壁を掘っている。それだけだ。
カンッカンッ
カンッカンッ
カンッカンッ
カンッカンッ
カンッカンッ
「ふぅ………!?」
バチィン!!
明らかに壁を掘る音とは別の音が聞こえる。しかも、すぐ背後で。さすがに手を動かし続けるのは疲れる。額の汗を拭い、少し休憩とばかりにツルハシに顎を乗せようとしたその時、すぐ背後でムチの音が響く。警告だろう。次休んだら打つぞ、という。あぁ怖い怖い…。
カンッカンッ
カンッカンッ
カンッカンッ
カンッカンッ
カンッカンッ…
たぶん15時間は掘っただろう。後ろから声がする。
「◼️◼️◼️◼️!!◼️◼️◼️◼️!!」
周りが歓声を上げる…事はない。皆俯き、その場を後にする。俺も付いていくこととした。
出口付近で俺は掴まれる。引っ張られ、引っ張られ、着いた先は振り出しだった。狭苦しい、暗い部屋…の中の牢屋の1つ。一辺2メートルないくらいの正方形の鉄の板、真上に伸びる鉄の棒。
しばらくすると、先ほどのムキムキマッチョメンが出てくる。手に持っていたのは、湯気は上がっていなかったが、色で分かる。俺もアマテラスの国生まれ、味噌汁の色くらいは分かるものだ。もう少し酷い待遇…いや、味噌汁一杯も酷いが、想像してたよりは良かった。食べ物が出てくるのだから。薄暗かったが、周りが少し見える。…不穏だ。味噌汁を前にして、笑顔なのは俺だけではないか。皆味噌汁は嫌いだったのかな?
俺は湯気もたってないが、貴重な夕飯、味噌汁を頂く。作法くらいはある。例え2メートル四方の中と言えど、それくらいはせねば。お椀を持ち、喉へ流し込む。
「泥水や、これ…」
なるほど、そりゃこんな顔になるわ