表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
少女達の奏でる夢想曲  作者: まぐろどん
2章 ドジっ子メイドの大波乱 メイド編第1部
18/191

神出鬼没道化師

「はぁ…」


勢いで飛び出してきてしまった…。リタにも悪い事したな…


「おや、随分な落ち込みようだねぇ。見ていて滑稽だよ。」


「あぁ、そうなんだよ、実は…!?」


「はは、急に警戒されて、困っちゃうね。記憶喪失は本当のようだ…。」


目の前にいたのはゴスロリ黒髪ロングのスタイルのいい少女


「何者だ!あんたは!」


「私かい?佐藤…いや伊藤だったか…いや待て磯貝かもしれん…」


「ふざけているのか…」


「おやおや、そうカリカリなさるな。もちろん、殺意を込めたその顔も大好きなんだがね」


「もう一度聞く、誰だ、お前は」


「私なんか誰だっていい。名前なんてどうでもいい。私は私だ。人を惑わす事が大好き、面白い事が大好き、焦る顔が大好き、殺気が大好きな私だ。やはり覚えていないのか」


「あぁ、さっぱりだ」


「そうかそうか、あの一晩の事も忘れたのか、あれは激しかった」


「!?」


「はっはっ、いい顔をしてくれるねー。大好きなんだ、そういう焦ったか・お。もちろん、冗談だが」


「からかっているのか、俺を」


「あぁ、もちろん、その通りだね。私は道化。言ったろう?人を惑わすのが大好きだと」


「…用件は…?」


「んー、べっつに何があったわけでも、無かったわけでもないからねー。強いて言えば、確認、かな。生存確認。」


「は…?何が言いたい…いったい何者なんだ」


「おっと、質問は一つずつだよ。前にも教えたじゃないか…いや、忘れてるか。出来れば私の事は忘れていて欲しいものだけどね」


「お前、何を言って…」


「おっと、お仲間さんの迎えだ。私はここで退散するとするよ」


「おい!待て!」


「ふふふ…やだね、私はあんたの事も周りの奴らも大嫌いだからね。」


「じゃあ何故会いにきた!」


「嫌い嫌いも好きのうち、と言うだろう?」


「ふざけるな!結局お前は何者なんだ!」


「そうだね、私が一方的に状況把握しすぎても不公平だ。私は…黒猫とでも呼んでもらおうか。情報屋黒猫。あの子の好きな人とか、あの子のスリーサイズまで、欲しい情報言ってごらん?なんでも売ってあげるから。あっでもまた今度ね」


「おい!待て…」


「おーい!ご主人様ー!?」


リタの声だ。とりあえず謝っておかないとな。


「すまんリタ。少しショック受けてただけだ。悪かった。」


「うわぁーーーん!!ご主人様ーーー!すいませんでしたーーー!!あのような事を聞いてしまいーー!腹を切る用意は済ませてありますのでーー!」


「いやいやいやいやいや!待て待て待て待て!!切らなくていい!生きててくれ!!」


「全くもう…お互い様ですよ…」


頬を膨らませるリタはとても可愛らしかった。


「あらあら〜」


「トレーズさん、すいません。突然飛び出して…」


「いえいえ〜構いませんよ〜。ところで、ここで何かありました〜?」


「いえ、何も…」


咄嗟に嘘をついてしまった…でも何故?


「あら、そうですか〜、良かったです〜ご無事で〜」


「すいません、心配かけて…」


「全く〜リタちゃん、泣きながら探してたんですからね〜」


「すいません…ホント…」


こうして一度訓練所に戻るのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ