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少女達の奏でる夢想曲  作者: まぐろどん
2章 ドジっ子メイドの大波乱 メイド編第1部
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ダメなご主人

「では、今日は散歩しましょうか〜」


「天気も良いですし、良いですね」


「私も付いていっても…?」


「リタは俺の専属メイドだろ?付いてこないでどうする」


「はい!ご主人様!」


「あらあら〜」


こうして今日は家の周りの散歩。何やら紹介したい場所があるようで…


トレーズさんが背中に触れてくる。


「えっと…何か…?」


「いえ〜綺麗な背骨だな〜と」


「は、はぁ…」


訳が分からなかった…



「紹介したい場所はここです〜」


「えっと…ここは…?」


「なんでしょう…?」


「ここは訓練所。身を守る術、戦う術を学んでいただきます〜」


「なるほど…」



「いらっしゃいませ。トレーズ様」


深々と頭を下げる受付の人。俺らは眼中になしか…。


「ご主人様、とても残念そうですけど、どうかなさいました…?」


「いや、別に…」


別に受付の人が美人で、声かけてくれたら嬉しいなー、とか思ってない…ない…よな…?


「…ハッ…!まさか…」


やっべ…思ってない思ってない…


「私が転ぶ所を期待してるんですか!?ふっふっふ…今日の私はいつもと違うのです!いつも以上に入念に足元をチェックしてヘブッ!!」


ビタン!!痛そう…こんな石造りの床に顔を叩きつけて…


「ヘッブ…ヒッグ…痛いよぉ…」


「全く…目をつぶって人差し指立ててドヤ顔するからだ、ほら」


「うぅ…ご主人様、ありがとうございます…」


手を引っ張ってやる。涙と鼻水で顔がぐしゃぐしゃだ…さすがに石畳は慣れてなかったか…



「おぉ、よく来たな。歓迎する、トレーズの新しい保護対象。」


「全く〜保護対象なんて言いかたしてはいけませんよ〜、家族です〜」


「あぁ、そうだったな、すまない」


「分かれば良いんです〜」


「で、私達を呼び出したのはもちろん、あれをするのだろう?」


「あまり気は乗らないのですが…」


「出たよ怠惰の権化…」


並んでいるのは3人のお姉さん方。


「安心してくださいね〜、この人たちは優しい方々なので〜」


「え、えぇ…で、何をすれば?」


「あなたには今から能力テストしてもらいます〜ではまず、剣から〜」


手渡されるのは鉄製の剣。


「では、これを切ってください〜」


目の前に置かれたのは岩。斬れるわけない…。


「ええい!ヤケだ!ドゥあおりゃあああ!!」


ガキンッ!!刃が刺さる事は無かった。


「んー…不適正〜」


ピッピッ

側からでもバツマークが付いたのが分かる音。


「次は弓〜」


「えぇい!」


ビュイイン…


「飛距離50センチメートル…不適正〜」


ピッピッ


「次は銃〜」


「やあぁ!」


バァン!


「うん、的から1メートル離れて着弾〜向こうに的が見えました〜?不適正〜」


ピッピッ


「最後ですね〜魔法〜」


「どうやるんだ…これ…?」


「雰囲気でなんとかしちゃってください〜」


「…あぁ!!もう!!一つくらい適正あるはずだ!なら!なんとかなる!

…魔法陣よ、我の声に応えよ…サンダー!!」


スンッ…

白けすぎて弱風が吹いた程度…魔法というか阿呆…


「はぁ…適正無しですか〜残念ですが仕方ないですね〜」


「…すいません」


「ご主人様!私銃に適正あるって言われました!ご主人様は!?ご主人様はどうでした!?」


今戻ってきたリタが元気に結果報告に来る…


「ダメなご主人でごめんな…」


「えっ!えぇっ!?ご主人様はダメじゃないですよ!適正が少なかったりしても、適正あるもので戦えば良いんです!手札で戦ってこそですよ!」


「…ごめんな…適正…無かった…」


「えっ!えぇっ!?すいません!ご主人様の気も知らず!!どうか私めに罰を!罰をぉ!!」


リタが励ましてくれたのが分かって、そこは少し元気が出た。

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