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少女達の奏でる夢想曲  作者: まぐろどん
18章 克服と、決意と、親友と アルミスタ&ベゴニア編第3部
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雨に打たれて

目が覚める。空は真っ青、快晴だった。

日は既に高い。

徐々に昨日の記憶が鮮明になる。

『私』が勝負に勝って…たぶん安心して気が抜けたのでしょう。

体を起こす。全身がズキズキ痛い。

「クチュンッ」

頭もボーッとして…んー…。

熱があるかもしれない…額に手を置く。

「…冷たい」

体温は高いのに、額はなぜか冷たかった。

そして、湿っぽい…。

よくよく触れてみると、濡れタオルが置いてあった。とりあえず体を起こして、何かしらお腹に入れておかないと…。

体を起こし、布団をめくる。

「!!!!?????」

布団の中に人がいた。

「…ちょっとベゴニア…何してるの…」

「ん…んぅ…?」

目をこすり、起き上がる。

「んーーーっ!」

何事も無かったかのように伸びをする。

「あー、おはよー…」

寝ぼけているのか…?それともこれは夢…?なら一体何処からが夢で、どこまでが現実?

「さてさて…朝ごはん作っちゃうね…」

のっそりと起き上がる。それを呆気に取られた顔で見守る私。

とりあえず私もベッドから起き上がる。

「あー、熱あるんだから、まだ寝てて」

「え…でも…」

言い淀む

「いいからー」

そう言うとベゴニアは私を押し倒し、キッチンへと向かっていく。

状況の把握が追いつかない。そもそも、何処から何を考えていいのか分からない。

「お待たせー」

それにしても、ベゴニア、初めて声かけた時から随分口調変わったな…私に対して人見知りしなくなったのは素直に嬉しい。

なんて別のことを考えて思考放棄しておこう。

出されたのはお粥。生姜の香りが心地よい。

「ん…美味しい…」

食べる前に感想を言ってしまった!やばい!思考放棄した副作用が!

「もー、食べてから感想言ってよー」

そう言ってふくれる。するとベゴニアはスプーンを持って

「ふーっ…ふーっ…」

行動が読めない。ホントに今日のベゴニア読めない。

「あーん」

ホント読めない!分からない!何なのこれ!?たぶんこれくらいなら、姫が真顔で腹踊りした方が落ち着いていられる!

「…自分で食べられるから…」

そう言うと、ベゴニアはスプーンを少し下ろす。

「もしかして…距離感…間違えた…?」

涙目だった。ホントなんなの!?厄日なの!?

「いやいや!そんなことは無いって!あー、お粥食べたいなー!あーでも、力入らないなー!」

もう、どうにでもなれ。

ベゴニアの顔が綻ぶ。とてもご満悦のご様子で。

「もー、しょーがないなー」

体をクネクネさせている。たぶん、最初の頃は絶対見られない反応だった。

「はい、あーん」

「あーん」

口に含む。普通に美味しい。

「やっぱり美味しい」

ベゴニアは二パーッという、満面の笑みを浮かべた。今日はなんか表情豊かだなー。

お粥を食べ進める。もちろん、あーんされながら。罰ゲームか何かなのだろうか。

全部食べ終えると、ベゴニアは食器を下げて洗い物を始める。

「アルミスタ、熱あるんだから寝ててね。こっちは気にしなくても大丈夫だから」

洗い物の手を休めず、そう言った。

「…ありがと」

ベゴニアの顔がまた綻んだ。

寝るとしよう。体調は万全にして、明日からまた頑張ろう。私は姫に悲しい顔をさせる訳にはいかないから。

ゴソゴソ…

数分後、布団の中に変な感触があった。

…ま、いいか。

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