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肌身離さず持つ紙
「はい、どうぞ〜」
さっき出てきた紙を渡される
「無くさないでくださいね〜、いつでも肌身離さず持ってるように。」
「え?なんで?」
「いえ、誰かに襲われた時にこれを見せるのです。そうしてこう言ってください。…
『わぁたし、この人に保護されてるんです〜!この人凄く美人で頭脳明晰、運動神経も良くって、家事も万能。さらにお金持ちで、その上とてつもなく優しいんです〜。いいでしょ〜?羨ましいでしょ〜?』
と。」
普通に嫌だった。保護されているだけならともかく、そこまで褒めるのは何故かとても嫌な気がした…。
「あ…あはは、そう…します」
「よろしい〜」
目の奥から来る威圧感がすごかった。
「…どこにも行かないでくださいね、離れないでくださいね。」
「…はい」
どうやら、しばらく保護される事になりそうだ