天界会談
「どうぞ、こちらの部屋へ。」
案内された部屋は応接室。大天使の使いの者達が妾とギューフの椅子を引く。ベゴニアは自分で椅子を引き座る。…堕天した奴に対する嫌がらせの類かのぅ…みみっちぃ
「では、こちらをご覧ください」
渡されたのは新聞。その紙面にはこう書かれておった。
『大天使ケトラ、容体悪化』
「この記事が書かれて以来、天界は恐怖で怯えています」
大天使とは、天界の最高権力者の1人。12柱の大天使を立て、この天界を維持する。このうちケトラは天界の防衛に携わっておる。そんな重役が病気で倒れているともなれば天界は攻め込む最大の機会となる。
「何よりも問題なのが、この情報は極秘の情報なんです…誰が言いふらしたのかすら掴めていなく…」
アルテミスはため息を吐く。
「あ、すいません。天界の住民達には大丈夫だと促しているのですが…」
「なるほどのぅ、神経質になるのも仕方ないかの」
「それで、あなた方の要件はなんでしょうか?」
ここでベゴニアの議論を持ち出すのは良くないじゃろう。先程の様子を見るに良くは思ってない事は確かじゃ。ここは…
「お願いがあっての。お主ら天使ならこの者の記憶を戻せたりせんかのぅ?」
「…出来ない事はないです…ただ…」
「ただ?」
「儀式をする必要があり、その儀式に必要なアイテムが無いのです」
「ふむ、そのアイテムとは?」
「理破りの宝珠」
そう来たか…確かに宝珠が無ければ奇跡を起こす事は不可能に近い
「その宝珠さえ持ってきたら儀式をやってくれるのか?」
「えぇ、保証しましょう。当てはあるのですか?」
「まぁ…のぅ」
歯切れ悪く答える。だって、当てというのは
「魔王城内宝物庫に2.3個眠っていたはずじゃが…」
「なるほど、見てましたよ。乗っ取られたそうで。大変そうですね」
「他人事じゃのう」
「他人事ですから」
「天界にはもう残ってないのですか?」
ベゴニアが聞く。
「魔王様はこれから魔王城に向かわれるのでしょうか」
やはり堕天というのは反乱…答えてはくれぬのか。…ここで声を荒げると問題になるやもしれん…黙っておくかのう。
「そうじゃな。あわよくば、そのまま取り返せればいいの…とこらで、天界には残っておらんのか?」
「残っているにはいるのですが…数が少なく、渡せるような数が揃ってないため」
「うーむ…まぁ、宝珠は貴重じゃからな。仕方ない」
「そこに至ってはお力になれず…すいません」
「なに、宝珠さえ持ってきたら後はやってくれるのじゃからありがたいものじゃ!」
言ったはいいが…どうやって取り戻せばいいのかの…