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ささやかな平和
「なるほどねぇ、厄介だ…ところで、あれからどうやって戻ってきたんだい?」
「足は痛むが少し動かすなら造作もない」
「いや、キミは方向音痴だろう?私の場所も分からないはずだ」
「あぁ、ギューフから貰ったこれが役に立った」
「これは…なるほど、コンパスか」
「地図は持っているのでな。持っていてよかった」
「さて、リタのMFも戻ったんだ。奴の対処など含めて…帰ったら作戦会議かな」
「そうだな…なかなか問題になりそうだ…なぁ、リタ?」
「…ふぇ?」
「眠いなら私がおんぶしてやろう。飼い猫より頼りになるぞ?」
「いいや、私がおんぶしてやろう。元国家の犬より頼りになると思うね」
「あ!歩けますからぁ!」
こんなささやかな平和を噛みしめつつ、拠点へと戻るのだった。