こんな所にカランコエ
「ふぅ…」
1人になってしまった…あの奴隷商からは逃げられたが…うーむ…帰れるだろうか。
「アーチュお姉ちゃん?」
「む?カランコエ、何故ここに?アルミスタはどうした?」
「それが、大変なの!ちょっと来て!」
「次から次へと…!」
私は駆け出した。
※
「あらぁ…いらっしゃぁい…」
「おい、アルミスタをどこにやった」
「あらぁ?知らないわよぉ?」
「とぼけるな!ここにいるカランコエが教えてくれた!」
「あらぁ…そんなに構えちゃって…エクスタシィを味わえそ…」
「アルミスタを解放しろ…さもなくば切る!」
「私としては本望よぉ?」
「ならば、さもなくば切らん!」
「それは困るわねぇ…でも残念。私、ホントに知らないのよぉ?」
「ふん…ならば吐いてもらうまで拷問にかけるとしよう」
「あらぁ、勇ましいこと…でも…今回は簡単に勝てるかしらねぇ?」
「ふん、正面からのお前など恐るるに足りない」
「あらぁ?いいのかしら?私にばかり注目していて」
「どういうこと…だ…?」
足から赤い液体が流れ落ちる
「あは…はは…ははは…!」
「よくやったわねぇ、カランコエ?あなたは良い子よぉ?」
「なっ…何故…カランコエ…」
「ごめんね?アーチュお姉ちゃん?」
「くっ…デザイン!リビングソード!」
2人ともの首が飛ぶ。しかし、そこが鮮血に染まる事は無かった…。
「…まさか!」
「そのまさかよぉ?」
「くっ…」
ヤバイ…足の怪我が酷い…ナイフがかなり深めに刺さっている。
「私の能力、コピーの強さ、分かったかしら?」
「何を…!」
「やっぱり隊長、応急処置は手慣れてますねぇ…恨めしい」
「だからさっきから何を…」
「これなら、1人分が限界かしらねぇ…コピー」
「んなっ…」
そこにいたのは私。
「お初にお目にかかる、アーチュだ。キミと同じアーチュだ。」
「何よ…これ…」
「コピーの能力の真骨頂よぉ?血さえあれば姿形を形成出来るの…口調まで…ね?」
「いったい何をする気だ…」
「決まってるじゃ無い…この水晶に面白いものが移るわよ?」
「なっ…!」
そこにいたのは黒猫とリタ。
「ここで呼応を発動させればリタちゃんは1人きり。呼応は使えないわねぇ?」
「下衆が…」
「なんとでも言いなさい?あなたを不幸にしたくて堪らないの…まずはあなたの大事な友達から、奪ってあげる…」
「や…やめろおぉぉ!!」
「では、参りましょうか。ご主人様」
「そうねぇ?見ものだからねぇ?あ、あなたは逃げていいわよ?」
「くっ…」
しばらく足が動きそうに無い…でも…伝えなくては…能力の事を…