取りに行きたい
ところ変わって、Bグループ
「私達はどうする?リタ」
「とりあえず私がしたい事はないわ。自由に選んで?リタ」
「えっ…えっとぉ…」
何故か2人とも私にだけ意見を求めてきます…怖いです…
「あっ、でしたら、少し取ってきたい荷物があるので、それだけ取りに戻ってもいいですか?」
「それはあの屋敷かい?」
「えぇ、そうです」
「ふむ、危険だが…まぁ、いざとなれば私がリタを守る」
「リタ?私を存分に頼ってくれて構わないからね?こんな定規持ってるようなふざけてる奴より頼りになるからね、ニシシ」
「さ、さぁ!行きましょう!…おっと」
躓く。転んだなぁ…これは
「よっと」
「大丈夫か?リタ」
「あ、ありがとうございます」
2人に両腕を掴んでもらって転ばずに済んだ…この反射速度、凄い…
※
「大丈夫かい?疲れてないかい?リタ」
「疲れたら私がおぶってやろう。なぁに、ピンチになればこいつを置いていつでも逃げれる。ニシシ」
「あ、はい、大丈夫です」
あと数分…あと数分で着くはず…なんというか…高待遇過ぎて逆に居辛い…
「さぁて、見えてきたね…どうだい?アーチュ、敵の数は?」
「アンスールも分かっているだろう?せーので言うか?」
「シシ…面白い。間違ってた方は帰ったら1日絶対服従でどうだい?」
「あぁ、構わんぞ。せーの」
「「20」」
わぉ、ピッタリ
「って、20人もいるんですか!?」
「いや、少ないと思うが…」
「この程度、なんともないね」
「…」
心強過ぎますって…ホント…
※
「で?取ってきたい物ってなんだい?」
「親からの最後の手紙です。懺悔のですが」
「承知した。その手紙はどこに?」
「私の部屋ですね、こっちではない棟の3階、奥から3番目の部屋です」
「ふむ…まぁ、先導してもらった方が早いだろう」
「そうだな。さて、行くとしようか」
「お手をどうぞ、リタ」
「いや、私の手を」
え…どっちを選ぶのが正解なんですか…これ
「では…」
「「…」」
取ったのは2人の手。
「まぁ、いいか、リタの選択だ。依存はないさ」
こうして私の部屋へと向かうのだった。
※
「そこ、曲がり角に敵影」
「ほら、敵影だよ?さて、切り抜けちゃいますか」
監視に見つかる気配すらなく、部屋に入る。
「ありました!良かったぁ」
「うむ、何よりだ。さて、帰ろうか」
「シシ…何事も無く終わりそうだね」
「残念ながら、そうもいかないんでね」
「「「!?」」」
そこにいたのは、かつての師範代の一人、リグルだった。
「やぁ、リタ、久しぶりだね」