表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

(^ω^)【ようです】のようです

【ショートコント】('A`)はエーミールを考察するようです【SS】

作者: 日曜日夕


キーンコーンカーンコーン


(;^ω^)「あー今日はテストだってのに全然勉強してないお」


('A`)「お前ほんと勉強しないな。どうせ家でゲームばっかやってんだろ」


(#^ω^)「おぉん?決めつけは良くないお!」


('A`)「じゃあ何やってんだよ」


( ^ω^)「ゲーム!」


('A`)「てめぇぶっ殺すぞ」


( ^ω^)「どうしよーこのままじゃ赤点だおー補習だおー」


('A`)「……はぁ、しょうがねぇな。テスト範囲の部分、ちょっと教えてやるよ」


( ^ω^)「……ほう、面白い。やってみせよ」


('A`)「君死に給へ」


('A`)「今回のテスト範囲は、著ヘルマン・ヘッセの『少年の日の思い出』だ」


( ^ω^)「エーミールがウザいやつだお」


('A`)「あぁ、確かにエーミールはウザい。主人公が作ったコムラサキの標本を見て『下手だなぁ~(笑)。これじゃ20ペニヒくらいかな?(笑)』とか吐かすぐらいにはウザい。10歳くらいのガキでこの性格はウザい」


( ^ω^)「ウザいわ~。なまじっか実力があるのがウザいわ~。自分が評価する側に立ってエクスタシー感じてるのが丸見えだわ~。」


('A`)「そして彼の存在感を確固たるものにしているのが、このセリフ……」


('A`)「『そうか、そうか、つまり君はそんなやつなんだな』」


( ^ω^)「贖罪を求めている主人公にこの仕打ち……これぁ、エーミール何人か殺ってますよ……もちろん、自分の手は汚さずにね」


('A`)「しかぁし!エーミールが血も涙も無い虫のような人間になってしまったのには、深い事情があるのだ!」


(;^ω^)「なんだって!?そいつぁ(まこと)か?」


('A`)「然り。エーミールは先生の子どもなんだ」


( ^ω^)「先生って、学校のかお?」


('A`)「たしかな。先生の息子として育てられたエーミールは、いつでも品行方正でいるように、完璧を求められてきたのだ」


( ^ω^)「無理だお。どこでもいつも誰にでもいい顔なんてできないお」


('A`)「『しっかりしなさい』『お父さんに恥をかかせてくれるなよ』『常にトップ、それが掟だ』『……こんな簡単な事もできないのか』常日頃、父親からプレッシャーを与え続けられて、彼の幼く柔らかい心は歪になってしまった……」


(#^ω^)「くっそぉ!先公めぇ!エーミールが!子どもが本当に欲しがってるモノはそんなものじゃねぇ!親の!愛だろうが!」


('A`)「そう……エーミールが父親からの重圧に耐えられたのは、『認めてほしかったから』……しかし、父親が彼を認めることは無い。なぜなら、完璧など彼にとっては『当たり前』だから……」


('A`)「やがてエーミールは父親と同じ様に、常に自分は上に立つものであると思い込むようになる。しかし、それも仕方のないこと、彼の世界の全ては父親なのだから……」


(#^ω^)「哀れなりエーミール!君は!そうか!つまり君は!そんなやつだったのか!」


('A`)「以上が、少年の日の真実だ」


( ^ω^)「そうだったのかお……思い出に隠されていたのは、歪んだ親子関係生んだ幼い少年の心の傷だったのかお……」


('A`)「さて、テスト始まるぞ」


( ^ω^)「っしゃ!これで赤点回避だお!」


('A`)「う~ん……無理じゃねぇかな」


(;^ω^)「え?なんでだお?」


('A`)「俺も全然勉強してないもん」


( ^ω^)「そうか、そうか、つまり君はそんなやつなんだな」




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] !!! 懐かしの、、、ありがとうございます楽しかったです
2020/02/15 20:19 ( ^^ω)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ