【第0話】異世界転移は突然に!【プロローグ】
『じゃ、また明日なマサル』
「おう、じゃあな」
彼は加藤マサル、岡本高校の2年生。趣味は読書、アニメ鑑賞。特技って言えるようなものは特にはない。強いて言うならちょっとクイズが得意な方だ。彼は友人と帰る道が真逆なのでいつも下校時は一人で帰っている。
「よし、帰ったらなに観ようかな、某魔法少女アニメかな、それとも某海賊アニメにしようかな」
彼は河川敷を歩きながら帰宅後のことを考えていた。
この町は年中同じ景色だ。新しく建物が建てられることもなく無くなる事もない。
「ほんとこの町はいつも変わらないよな、退屈だなぁ〜」
『何言ってるのよ急に』
突然現れたのは幼馴染の女子だった。特に恋愛感情とかはなく、たまに帰り道で会って一緒に帰る程度(1ヶ月に一度くらい)だ
「あぁ、お前か」
『今日はやけに暑いわね、夕方になってるってのに』
「そうやな、もう夏だもんな。あ、そういえばさ?」
『ん?』
「お前見ない間に太ったなぁ」
『はぁ?』
彼女の足音は止まった。
『一番言われたくない事言われたぁ〜呪ってやる、お前なんか異世界でもなんでも行ってしまえばいいのに』
彼女は半分涙目で激怒し、走って帰って行った。
いつもこんな感じだ。たまにくる彼女をからかうのが下校時の唯一の楽しみであった。もちろんさっきのは冗談だ、多分。
「さて、気分が上がってきたところで帰りますか」
その時、自分の周りを中心に半径1メートルほどの円が足元に展開された。その青白い円は徐々に彼を引きずり込んでいった。
「あれ?」
気がついたら彼は全然知らない場所にいた。