表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ローレシア  作者: 鴇天ユキ
苟且の境界線
10/21

古き者9

「ぐあっ!」


 闘技場内に砂塵が舞う。


ラウド教官の魔術により、十五番目の生徒が吹き飛ばされる。


「く……」


 立ち上がろうとする生徒だが、倒れた所に、ラウド教官が剣の切っ先を向ける。


「終了。立ち回りがまだまだ甘い、もっと相手との距離を意識して戦え。実戦なら魔術を使われた時点で負けなんだ、慎重になり過ぎるな」


 そう言い、ラウド教官は剣を降ろす。


 生徒は吹き飛ばされた際に手放してしまった剣を拾いに行くと、ありがとうございました、と一礼して闘技場を出て行った。


 この試験は五段評価で採点され、一番優秀なのが5、平均的なのが4と3、それ以下が2、1となっている。


 稀に評価0という言葉を聞くが、それは試験を受けなかった場合以外まず有り得ない。


 と、気付いたのは最近の事だったが……。


「次、ディオ・ルーバニア」


 名前を呼ばれ、闘技場の入り口からディオが出て来る。


 クラスで一、二を争う優等生だけあり、周りの生徒達も皆が雑談を止め、2人を見た。


「さて、どれくらい成長したか楽しみだ」


 そう言いながら、ラウド教官はディオの方を向く。


 慎とした闘技場内に、ラウド教官の声が響く。


「本気出さないでくださいよ教官?」


 ディオもラウド教官の方を向き、腰に差した剣を抜く。


 学校側から支給されるあの剣は、刀身が長く、刀身と柄の部分を細い鉄で接続しているのが特徴のロングソードである。


「お前の成長次第だ……」


 ラウド教官がそれきり押し黙る……。


 ディオも同様で、闘技場内に不穏な空気が流れた……。


 いつ、どちらが動き出してもおかしくない。


 まだ開始の号令が掛かっていないにも関わらず、2人は今にも戦い出しそうだった。



 そして……



「試験開始!」


教官の一言で、2人は動き出す。

[解説]触媒


 魔術を発動する際、転換したマナを仲介する為の道具。ローレシア魔法戦技学園では肉弾戦の兼ね合いもあり、基本的に剣の触媒が推奨されている。

 しかし魔術の発動や出力のコントロールなどは専用の杖など、小さい物程一度に放出するマナの密度、魔術の威力を上げやすい。逆に触媒が大きくなる程魔術を発現しづらく、威力が低下する。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。




― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ