トロピカルフラッシュ これが私の素敵な1日 レモン編
おはようございます!奥沢京子です!!
などと大きな声で挨拶するなんて、いつもの私から想像もできない事だろう。
だから、私はいつも通り誰にも話しかけずに、もしくは話しかけられずに学校についた。
私は何だかんだで、寝不足なようだ。フラフラ歩いていたら、朝の七時に家を出たのに学校についたら八時になっている。
校門で教師が立って生徒達に挨拶をしている。
あの先生は何の先生だったか、自分のクラスの授業を受け持っていないので分からないが、結構ベテランの先生だったはずだ。先生に挨拶され、元気よく挨拶を返す生徒、欠伸をしながら返す生徒、挨拶を全く返さない生徒など様々だ。
なので、例に漏れず私にも挨拶をしてくる。
「・・・・・・・・・・・・おはよう。」
顔を顰め朝から小汚い嫌なものでも見たような反応。
なんと失礼な先生なのだろう、生徒には分け隔てなく愛を持って接するべきなのに、という感情の籠っていない憤りを込めて顔を伏して先生の横を通って校舎へと入る。
教室に向かい、教室の引き戸をガラリと開けるとその音に反応した男子がこちらを振り返り、一斉に舌打ちをする。まぁ、見慣れた光景だ。
私の席は窓側の一番端にある。これはくじ引きでもなんでもなく、クラスが勝手に決めたらしい。教室の一番後ろ、一番端というは取り合いになるほどの良い席だがクラスの皆は私に譲ってくれた。なんて良いクラスメイトなのだとは棒読みで言ってみる。ちなみに私が後ろに追いやられた理由は、まぁ、なんだ、追々話そう。
早速、席につき鞄から落書きだらけのボロボロの教科書を取り出し、机にいれようとすると教科書が何故か突っかかった。机を覗きこむと机の中に惣菜パンの袋や空の紙パックのジュース等、ゴミが奥に詰められていた。
顔を上げると廊下側の席でたむろっている女子のグループがこちらを見てニヤニヤと感じの悪い笑みを浮かべていた。
今日もなんだか楽しそうだと思いながら、机の中のゴミを捨てに行く。
ちなみにゴミを捨てに行く途中、すれ違った男子が鼻を手で抑えて通り過ぎて行った。一週間お風呂に入っていないとフェロモン出まくりで思春期の男子には刺激強すぎるからね。キラッ。
ゴミを捨て終え、机に教科書を仕舞い込むとやる事がなくなってしまった。朝のホームルームの開始まで後15分ほど。やる事なくなってしまった自分は机に突っ伏し寝る事にした。
私の一日でもっとも穏やかな時間
穏やかな時間は微睡をのせてゆっくりと過ぎてゆく。