凛と茜
誤字脱字明日直します
凛は席から立つとこっちへ向かって歩いてきた。
心なしか少し怒っているようにも見える。
えーっと、俺なんかしましたか?
凛は俺と茜の近くまで来ると、俺に威圧的な視線を向け、攻撃的な口調で話しかけてきた。
「その子は誰なの?」
「あ、ああこいつは俺の幼馴染の日向茜」
ちょっとだけ不機嫌な凛に動揺しつつ、俺は茜を紹介した。
言い方的にあれだけど、まあ紹介した。
「ふーん、幼馴染…ね」
どこか含みがある言い方で凛は茜の方を向いている。
目は少し細められている。ようはジト目。
なんでそんなに敵意出してんの?
まあ、初対面だし警戒するのはわかるけど…
すると今度は俺に向かって茜が質問してくる。
後ろからはまたあの黒いオーラがでていた。
表情は…笑顔だ。
だから怖いって…
なんで、そんな黒いオーラ出してんの?
てか、あんた達そんな敵意むき出しにしてなにやってんの…
初対面じゃないの?
「大地、そういえば今日体育館に入ってきたときも、クラスに入ってきた時も一緒だったよね?」
「あ、ああ」
こんな雰囲気の中、言外に同じクラスと言っている茜に同じクラスなんだー、気づかなかったわーなどと言えない…
いや、確かに視線から逃げてたからみんなの顔全然見てなかったけど。
凛も一緒だし、どんな確率だよ…
俺はこちらを笑顔(目は笑っていない)で見ている茜に呆れ半分、恐怖半分のため息を吐き出しながら答えた。
「なんで2人そろって遅れたの…?」
今の茜には最初に感じた安心感など欠片も感じられなかった。
あるのは百獣の王のような威圧感だけだった。
その黒いオーラだしながらの笑顔怖いよ…
茜は俺に向かって聞いたのだろうが俺が答えるよりも早く凛が答える。
凛は意地の悪そう笑みを浮かべて茜の質問に答えた。
「2人でちょっとヤッてたの」
…はぁ!?
凛の含みを持たせた言い方に俺と茜は顔を青くする。
「ヤッテタ!?」
俺が否定するよりも早く茜が反応する。
言葉がカタコトだった。
「いやいやいやいや、やってない!いや確かにやってたけど、やってないから!」
その言い方には誤解がありすぎる!
俺の言葉もおかしすぎる!
そんなこと言われた俺は焦って茜の方を見ると茜は完全に固まっていた。
俺はどこからか身の危険を感じ、これはやばいと凛の言葉を全力で否定する。
「ただ俺は危なくなった凛をだな…」
「気絶しかけて動けなかった私の前でタッてたくせに」
が、そんな否定しようとした矢先に帰ってきた言葉は更に誤解を招く言葉だった。
タイミングといい、言い方といい、絶対わざとだろ!?
「た、た、た、タッてたの!?」
「違う!いや、違わなくはないけど違う!」
なんでそこの文字がカタカナなんだよ!?
茜は未だに青い顔で、あたふたしている。
いや、ちょっと頬の部分が赤い
器用な奴だな…じゃなくて!
「茜!落ち着け!そして俺の話を聞け!」
俺は茜を止めるために、茜に駆け寄って事実を話そうとしたその時、凛は止めとばかりに頬を赤く染め、もじもじしながら最後の言葉を放った。
「俺はだな…」
「わ、私の前であんなに激しく動いて…」
はいアウトーーーー!!!
俺はそんな事をいう凛に頭だけ、首が取れるくらいの勢いで振り向く。
確かにかなめ相手に激しく動いたけど!?
凛の前だったことも否定できませんけど!?
でもその言い方は違うじゃないんですか桐生さん!?
演技派にも程がある。
そんな態度と顔をしたら誰だって間違えるだろう。
それを聞いた瞬間、俺は茜に駆け寄ろうしたにもかかわらず固まり、言葉も止まってしまう。
俺は凛に向けていた視線をそろりそろりと茜に視線を移す。
茜は下を向いて黙っていた。
表情は見えない。
目が笑っていない笑顔も見えない。
俺の額からまた汗が吹き出てくる。
今日何回汗が出てきたんだろー
なんて、軽く現実逃避するくらいに茜は不気味な雰囲気を出していた。
しばしの静寂。
凛は勝ち誇ったように腕を組み胸を張って茜を見ている。
あれ?なんか胸を張っている奴よりも下を向いてる奴のほうが胸がでかい気がするんですけど。
そんな気まづい雰囲気の中俺が現実逃避した、場違いすぎる感想を感じていると茜が口を開いた。
開いたというより何か呟いている。
しかし声が小さすぎてブツブツ言ってるのはわかるが内容が聞き取れない。
というか、聞きたくない…
それでも、茜に誤解を解かねば!と茜に近づくと内容が聞こえてきた。
「へぇー、そうなんだ。久しぶりに再会したと思ったら入学式に遅れてまで2人でそんなことしてたんだ。へぇー。私は大地のことを1度も忘れてなかったのに、大地は新しい女と2人で濃厚なことしてたんだ。へぇー。いつから大地はそんな野獣になったんだろう。へぇー」
こんなことが聞こえてくる俺の身にもなってほしい。
本気で命の危険を感じた。
やばい、やばすぎる。
へぇーの使い方がおかしいし…
完全に思考がおかしくなってるよなこれ…
こんな状態の茜を一度見たことがある。
確か、まだ、俺たちが同じ街で暮らしてた頃、おれが街の同じくらいの女の子とたまたま気が合って喋っていた時だ。
5分くらい経った後に茜が乱入してきて、その後、茜はその女の子を睨めつけ泣かして、俺を板に縛り付け1日中愚痴を吐き出していた。
その愚痴を吐き出している時の格好がこんな感じだったはずだ。
なんであの時、茜が俺にあんな仕打ちをしたのかは今の所謎である。
ただ、ラノベの事で話してただけなんだがなぁ。
それよりも今は茜だ。
「お、おい茜?」
俺は命の危険を覚悟して茜に問いかけると、ブツブツ呟いていた茜が呟くのをやめた。
よかった、止まってくれた…。
俺はホッとした。
しかし…茜は、凛にまで聞こえる、しかしそんなに大きくない声で呟いた。
「昔、私と2人でお風呂に入ったくせに」
それが聞こえた瞬間、凛の勝ち誇った顔がピキッ!っと凍りついた。
…
これ以上悪くならないと思っていた場の空気が更に酷くなる。
俺はそれを聞いた時、思考が止まりかけた。
…なんでそれを今いうの!?
「あ、あの日向さん?一体何を?」
俺はどうにかしようと、茜に敬語(自然になった)で話しかけた。
いや、話しかけてしまった。
それが最悪の一手になることも知らずに…
茜はまたボソッと呟いた。
「私をお風呂で押し倒したくせに」
それを聞いた瞬間、俺は後悔する。
5秒前の俺を殴ってやりたい…
「そ、それはたまたま転んだだけであって、別に変な意味はないからな?」
俺は茜に言うと同時に凛にも言って、聞かそうと声を少し大きめにだした。が…
結論から言うと、遅かった。
凛は既に下を向いていて表情が見えない。
さっきの茜状態だ。
「へえ、お風呂に入って押し倒した?ふーん。私には肩も貸さなかったくせに。体育館まで走るの辛かったのに肩も貸さなかったくせに」
「あ、あの桐生さん…?」
俺は茜と同じ状態になっている凛に再び敬語(自然)で話しかける。
この空気、逃げたい。超逃げたい。
そして俺は2人の誤解を解こうと2人に呼びかけた。
「2人とも!落ち着いて!どっちも違うからな!?」
もう一度言う、俺は2人に誤解を解かせようと2人に間違っていると呼びかけた。
その言葉を言った直後。
『プチン』
2人から何かが切れる音が聞こえた気がした。
そして、2人はゆらりと陽炎のように体を揺らすと、顔を上げた。
そこにあったのは逆鱗に触れた竜のような目だった。
そして2人のマナが爆発的に高まる。
え?え?なに?なんでマナが高まるの!?
魔法うつの!?
『2人とも違うってどういうことだぁー!』
その後、ハモった2人の声とともに凛の火魔法が纏った左拳と茜の光魔法を纏った右拳が俺の顔面に向かって放たれた。
直撃。
「ぐふぅっ!」
なんで!?という言葉を発する余裕が遂に来ることはなかった。
俺は廊下の1番端まで飛ばされ壁にめり込んだ。
し、死ぬ…
*その壁は雫さんが弁償しました。
その後、怪我をした俺は茜の光魔法に直して貰うまで動けなかった。
次回、序列戦になる予定です!
*予定なのでわかりません
九条大地 氷魔法
桐生凛 火魔法
日向茜 光魔法




