感動の再会…?
今日2話目です!
誤字脱字は明日直します
俺たち2人は校長室から長い廊下を歩き終え、
クラスの前までやってきた。
あと数歩歩けばドアに手をかけて教室に入れるという距離で俺は立ち止まり、凛に疑問をぶつけた。
「…なあ、なんでそんなに後ろにいるんだ?」
凛は俺の後ろに目測約10メートルくらいの距離を開け立っている。
いや、俺も正直な話、全校生徒の前で大目玉食らった後の教室に入りたくないんだけどさぁ…
あの、体育館に入った時の全校生徒がこちらに振り向いた時の視線の威圧感は本当に死にたくなるレベル。
人間生きてるだけで他の動物に迷惑かけてるってほんとだわ…
まあ、俺も同じ人間なんだけど。
「うるさいわね、さっさと入りなさいよ」
凛はそんな強気なセリフを言ってる割に顔を赤くさせてモジモジしている。
お前、あの5人に絡まれた時の強気な態度はどこに行ったんだよ…
双子ってオチはないよな?
「はいはい、わかりましたよ」
俺はそう言ってクラスのドアに手をかけた。
もちろん凛の表情の変化も見逃さない。
今、手にかけた瞬間凛の顔が強張った。
面白い。
そんな面白い凛の表情を見て満足した俺はドアを開ける。
一斉にクラスの生徒たちがこちらをみた。
体育館ほどではないが視線の威圧感が襲ってくる。
なにこれ?やめて!みないで!
「遅れてすみませんでし…ええ!」
俺はその視線から逃れるように、担任に遅れて入ってきたことを謝ろうとしたら、そこに見覚えのある人がいた。
「九条、桐生、遅れてきた事については既に怒ったからいい、早く席に座れ」
「いやいや、なんで雫さんが担任教師してるんですか!?」
「雫さんじゃない、夜神先生と呼べ」
ええ!なんでこんなとこに雫さんがいんの!?
「知り合い?」
俺の後からコソコソっと入ってきた凛が小声で聞いてくる。
凛の顔はまだ少し赤い。
いや俺の方が絶対恥ずかしいだろ、なんであんたが俺より恥ずかしがってんの…
いや、それよりも!
「ああ、俺の叔母だ」
てか、雫さん先生だったの?
予想外すぎて、困る。
「お前ら、早く席に座れ」
『…はい』
俺と凛はそんな雫さんの言葉をうけ、未だに注がれている好奇心の目から逃げるように素早く席に着く。
俺の席の位置は名前順で、2列目の後ろから2つ目だ。
ちなみに凛は桐生なので俺の前…
詰んだ。
俺たちが席に着くと雫さんが教卓の前に立ち、周りをぐるりと見ると話を始める。
「今日からお前たちを1年間担任することになった夜神雫だ。よろしく頼む」
そう言って雫さんは頭を下げる。
そして、また頭を上げて続きを淡々と話を続ける。
「お前たちはガビアに住む時点で絶対強者のルールとは切っても切れない縁になる。ここはそのルールの中でも生きていけるようにするための学園だ。厳しいルールもあるが3年間誰も退学させられないことを期待する」
厳しいルールは下位50名の3連敗による退学ルールのことだろう。
「ちなみに、私は遅刻等、最低限のマナーを守らないやつには容赦しない。幸い、このクラスには反面教師となるものが2名もいるのでみんなは真似しないように」
雫さんは俺たちの方を向いて意地の悪い笑みを浮かべながら言い放つ。
周りからはクスクスっと言った笑い声が聞こえてくる。
超恥ずかしい。
凛も顔を赤くしている。
…こいつもしかして人と関わるの苦手か?
「明日は、1年全員による序列戦を行う。それまでにくれぐれも体調に気をつけるように。では今日はこれで解散だ」
雫さんはそう言うと、クラスからスタスタと出て行った。
***
放課後…といっても入学式が終わってからクラスに集まって話を聞いて解散だったので、午前10時半。
俺は凛から逃げる為にそそくさとクラスから出ようとすると教室のドアのまえで声をかけられた。
「ねえねえ、九条君」
「ん?」
声がかかった方をみると1人の女子生徒がたっていた。
髪型はクリーム色のショートでどこか安心できる雰囲気を持っている。
顔は少し幼く童顔で目もクリッとしている。
凛が美人ならこの子は可愛いの部類にはいるだろう。
正直可愛い。
俺はなんでこんな可愛い子が俺に!?っという思春期真っ只中の少年が抱く気持ちが初めて理解できた。
今度こそ噛んでしゃべるのを防ぐ為にゆっくりと喋ることを意識して問いかける。
「な、なぁに〜?」
だめだこりゃ。
自分のコミュ力のなさに悲しさを覚える。
これは馬鹿にされるパターン…
「あはは、なにその喋り方?九条君って面白いね」
すると、女子生徒は馬鹿にするどころか笑っていた。
なに、この子、いい子すぎる。
凛だったら、「その変な喋り方をやめるか口を縫うかにしなさい」とか言ってたかもしれない。
おっと、こんなことしていたら凛に捕まえられる。
名残惜しいが早めに終わらせることにしよう。
「で、なにかな?」
俺は女子生徒に理由を尋ねた。
「いや、実はね…」
そう言うと女子生徒はショートの髪をポニーテール風にまとめあげた。
ショートポニーだな。
でもなんで急に髪型を変え始め…
「え…?」
俺が驚いたのは無理ないと思う。
だってそこにいたのは7年前に離れ離れになった幼馴染の…
「あか…ね?」
「はいはーい、大地の幼馴染の日向茜でーす」
「本当に茜なのか?」
俺は恐る恐る尋ねた。
「もー、茜って言ってるじゃん。信じないなんて酷いな〜」
茜はやれやれといった感じで両手を上げ首を振る。
「お前、生きてたんだな!よかった!」
俺は久しぶりに再会した幼馴染に泣きそうな感情が込み上げてくる。
「まあ、あの時は死んだって思ったけどね」
茜はため息をついて憂いの表情を浮かべた。
俺たちは同じ街に住んでいた。
しかし、ある事件のせいで生死も不明の形で離れ離れになってしまった。
でも生きてたんだな!
本当によかった!
そんな感動の再会に話を弾ませようと、茜の方をみると一瞬寒気を感じた。
「ねえ、大地」
「はい!?」
俺は空気をも凍らせるような威圧感を持った茜の言葉に反射的に答える。
「さっき、私のこと、気づいて、なかったよね?」
「えっと、あの…」
俺の額から汗が大量に吹き出てきた。
そして、ようやく気づく。
さっきから後ろに手を組んで笑みを浮かべている茜の目が全く笑っていないことに…
「なんで、気づかなかったのかな?」
「なんで区切り区切り話してるんですか?」
俺は身の危険を感じ、話を逸らしにかかる。
敬語になったのは本能的に生存順位を判断してしまったからだろう。
しかし、そんな手が通じるわけもなく。
「話をそ・ら・す・な」
そんな怖い雰囲気を醸し出しながら顔は笑顔のままだ。
気のせいですかね?後ろから黒いオーラが見える気がするんですが…
「はい、誠に申し訳ございませんでした!」
俺は全身全霊の土下座をした。
「はあ、まあ7年も会ってないわけだしね」
茜はそんな情けない俺を許してくれたのか、顔をあげてと言ってくれた。
「そうだな…」
俺は立ち上がると茜の言葉に相槌をうつ。
「それより!今日の入学式の遅刻はなんなの!?」
「あー、あれは…あっ!」
そこまで言った俺はその存在を思い出し、また額に汗が吹き出てくる。
後ろをゆっくり振り返ると席に座ってこちらをジッと見つめている凛の姿があった…。
次回は凛と茜の初絡みです




