大地の秘密とソレーユの目的
今回はソレーユ視点です
誤字脱字は後日直します。
報告:昨日1話から9話まで少し編集で直しました
九条大地と桐生凛の2人が去っていた後、校長室ではただソレーユ1人となっていた。
「ふふ、元気な2人ですね」
私はさっきの2人の態度を思い出しながらふっと呟いた。
椅子を後ろに回転させ、後ろにあった窓から外を見る。
空は晴れており雲がゆらゆらと浮いている。
春らしい天気だ。
太陽の光が窓に差し込み、校長室を明るく照らしている。
そして、そんな太陽と空を眺めつつ私は2人の…九条大地のクラス担任との会話を思い出す。
***
私は校長室で1人の女性教師と報告という名の密会をしていた。
彼女は身長が高く、長い黒髪をポニーテールにまとめていて、顔立ちが整っているので街中で歩けば何人かは必ず振り向くだろうというくらいの美人だ。
しっかりした態度で、その態度は彼女が厳格な性格を物語っている。
彼女はイスに座っている私の机の前で立っている。
お手本のような姿勢だ。
「マナが視える?」
「はい」
私は1人の女性教師…九条大地のクラス担任である夜神雫の言葉を聞き少し驚いてしまう。
「それは本当ですか?」
「はい」
やはり、疑ってしまう事実に聞き返してしまうが夜神先生の答えは変わらない。
「なぜ、視えると言えるのですか?」
「大地には精霊の血が混じっています」
「なっ!?」
淡々と言う夜神先生に対し、私は机に身を乗り出すほど取り乱してしまった。
精霊の血、それはマナを司る精霊が実際に存在していることを示している。
精霊はマナを司る妖精として、最近よく本等に出てきていますが実在していたなんて…
いや、それよりもその血が混じっている?
私はそんな、今までにない事案に対しての思考を一旦頭の片隅にやり、未だに眉ひとつ動かさず立っている夜神先生に問い返す。
「…その言葉を本当の事と仮定していくつか聞きますがよろしいですね?」
私は気持ちを落ち着けるために、ゆっくりめの口調で問いかけながら聞きたいことをまとめる。
「はい」
私は椅子に再び座ると、聞きたい疑問を尋ねる。
「まず、なぜそのことをしっているのですか?」
「大地は私の兄の子です。ある事件が起きるまで一緒の街で暮らしていました」
なるほど、それなら九条君の身辺には詳しいですね。
「では、なぜ精霊の血が混じっていると?」
ここからが本番ですね…
私は世界でもトップクラスの事案に慎重に話を進める。
「簡単にまとめると、大地はある事件で大怪我をしました。その時、私が治療を担当したのですが、血が足りなかったのです」
夜神先生は過去を振り返るように話を続ける。
「その時、精霊が現れ血を提供し結果大地は助かりました。」
夜神先生はあくまで淡々と話している。
「この事を他には?」
「私と校長しか知りません」
「そうですか…」
夜神先生が嘘をついているようには見えない。
私でも、そこの所は見る目があるつもりですけどね…
ここまで聞いても、私の心には疑いが晴れない。
それまでこの案件は前代未聞なのだ。
しかし…
「夜神先生」
「はい」
「もう一つお聞きしてもよろしいでしょうか?」
「はい」
「その、ある事件とは一体?」
私の質問に初めて夜神先生は少しばかりの迷いを目にのぞかせる。
そして、何かを決めたのか、しばしの無言のあと語り始める。
「実は…」
夜神先生から語られた九条大地の過去と現在の目的を聞き、私は驚きと共に九条大地が特殊な存在という事を認識してしまった。
「まさか、そんなことがありえるのですか?」
「間違いありません、大地の特殊性の秘密はガビアでもトップレベルの事案です」
「もう一度聞きますがこの事を他には?」
「話していません」
「そうですか…」
「しかし、わかりませんね。なぜ私にこのことを?」
「大地の目的は私にとっても悲願です。そして、校長の目的も少しばかりですが知っています」
その言葉に私はピクリと反応してしまう。
「なるほど、私を利用しようということですね?」
「利用ではありません。1つの協力関係です」
「わかりました、この件は考えときましょう」
「では、これから入学式なので失礼します」
夜神先生はそう言うと踵を返して校長室を出て行った。
この件、他の学園との戦いに大きなアドバンテージになりますね。
それに、九条君の目的が達成できれば、私は目的に一歩近づく…
そのために、早急に打てる手をうちましょうか。
私の答えは既に決まっていた。
1人になった校長室で私は着々とこれからの計画を立てていった。
***
しかし…
マナを視えるということは本当なのですね。
私はさっきの九条君の態度を思い出す。
私を見た時、彼はほんの少し動揺していた。
そのあと、私の事を知らないと言っていたから、彼は本当にマナが視えるんでしょうね。
机の方に椅子を向けると、私はさっきまで机の上になかった筈のコーヒーを手に取り、飲みながら一つ一つ疑問を解消していく。
そして、やはりさっきまで机の上になかった筈のヴェネノビーネの討伐依頼を見る。
そこには、大量発生と変異種発生という文字が綴ってあった。
私はそれを見て微笑む。
多分、人を操る時のような冷たい笑みになっているのだろう。
「さあ、九条君。私の目的につきあってもらいますよ」
そう言った時、校長室の壁に貼ってある、双竜の討伐依頼の写真に写っている二頭の竜が笑った気がした。
次回からは再び大地視点になります!
新ヒロインも出てきます!(予定)




