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100%俺の趣味

 能力(スキル)『学習』

 かつて『スキルマスター』と呼ばれた男が取得していた伝説の能力。本来能力とはレベルアップした際に得られるスキルポイントを消費して取得、向上させるものである。しかし『学習』の能力を持っていると本人の行動、努力により能力の取得、向上が可能となる。

 つまり頑張れば報われる。この一月は無駄ではなかった‼


 しかしそれ以上に気になるのは能力『変態』だ。


 クルルもアリアもよほど『学習』が珍しいのかその事ばかり話してこちらには全く触れてくれない。

 それとも意図的に触れていないのか?

 もし意図的に触れてないのだとしたら俺だって触れたくない。


 ただすっげぇ気になる。


 Lv1だよなぁ、この世界だとダンジョンを全裸で歩いたりするのは変態入門編なのか?


 …誰か違うと言ってくれ、万が一この能力のLvが上がったら怖い。ここが入門編ならLvMaxとかどんなことになるんだ?


 聞きたいのに聞けない。

 その言葉だけなら小学生のころ、隣の席の女子に「好きな人いる?」って言いたかった時とおんなじ感情。しかし、そのなかに渦巻いているものは全く違う。


 …汚れちまったな、俺も……


 結局、『変態』については聞けなかった。



「でもさ、ユキ。やっぱり能力Lvを上げるなら鍛練より実戦の方が効率がいいと思うよ?」

 アリアが観察晶(クリスタラ)を片付けに退出してからクルルに言われる。

「実戦かぁ、正直この身体初期ステータス低すぎて経験積む前に死にそうなんだよなぁ。」

「大丈夫だよ。みんな、死ぬ気で殺ればなんとかなるって言ってるし!」

 うん、だからそれは何ともならなかった人が言えない状況にあるだけだよ。

「あと、攻撃手段の能力は絞った方がいいと思うよ?」

「どうしてだ?」

「あんまりたくさん武器持っているのは邪魔だよ?」

 あー確かに。

「『斧技』と『槍技』だったらハルバードって武器もあるんだけどね。」

「ハルバード?」

「槍の横に斧くっつけたみたいな武器だよ。」

 クルルは身振り手振りでハルバードを教えてくれる。「ハルバードあるんだ?」的なつもりだったので形状は知ってるが、クルルさんそのジェスチャーだとなんにもわからん。

「『スキルマスター』が作らせた武器だから人気はあるんだけどねぇ。」

「なんか問題でもあるのか?」

「普通の人間族の寿命だとLvMaxに出来るスキルって3つだから本職の戦士にはむしろ人気がないんだよ。」

 なるほど、でも俺魔族で『学習』持ち出しなぁ、そのデメリットあんまりないよな。それよりトリッキーで攻撃に選択肢が持てる分メリットの方が大きいよな?

「もし俺が「こんな武器作って欲しい。」って頼んでも作ってもらえるか?」

 もしそうならぜひ作って欲しい武器がある。その武器なら『剣技』も『槍技』も無駄にならない。

「あまり複雑な形状でなければ大丈夫だと思うけど…」

 大丈夫、ハルバードと比べたら形状は全然シンプル‼

「ユキ、お金ないよね。」

 …あっ…

 ファンタジーな世界も世知辛い。見るからにしょんぼりする20代後半独身男性、だけど見た目幼女だから気にしない。

 あーあ、作りたかったなぁ、100%俺の趣味なだけだけど作りたかったなぁ…

 いじいじ。

 もとの世界だったらキモいけど気にしない、だって今幼女だもん。

「あーもー、仕方ないな、貸しだからね。」

 えっマジですか? お姉様大好き。

「で、どんな武器なの?」

 俺が欲しいのは日本刀に長い柄を取っつけたマイナー武器、そう!

「長巻‼」


 長巻と薙刀はゴール地点がおんなじで混ざってますが派生元が違います。薙刀は重さと遠心力で叩ききる戟に切れ味を持たせたのが始まりで長巻は野太刀の取り回しをよくするため柄を長くしたのが始まりと言われてます。また豊臣秀吉は槍が苦手な兵に持たせて槍隊の後ろに配置したと言われてますからまだ戦闘初心者な俺にぴったりな武器ではないでしょうか?

 って熱く語ったらクルルに引かれた。

 だって仕方ないなじゃん、マイナー武器なんだもん、普通出てこないんだもん、ゲームとかで出たとしても薙刀の下位武器だもん、そして最終的に青龍偃月刀の初めのやつって扱いになるんだもん、時代逆行してんじゃん。こんな機会じゃないと使えないじゃん!

「お、おぅ。そうなんだね。」

 気付くと頭をぽんぽんされている。ヤベェ、買ってもらえる嬉しさとマイナー武器という悲しさで自然に抱きついてた。

 お巡りさんこの人ですされてないよね?

「じゃあ、ボクも鍛治屋に用があるから今から一緒に行こうか?」

 なんかもう、ぐずった子供をあやすみたいになってる。俺、一応アラサーだよ?

 とはいえ、


 わーいわーい、デートだデートだ、長巻だー。


 俺のテンションこんな感じ、デートっていうよりもスーパーでお菓子が買ってもらえることになった子供みたいだけど気にすんな。だって嬉しいんだもん。

長巻は完全に自分の趣味です。完全にテンション上がったのも自分です。出来ればいつか籠城戦とかも書きたいと思っています。間違いなくテンションがおかしくなる気がします。今回の件も含め先に謝らせてください。申し訳ありません、またやると思います。

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