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孫に自慢しな。

 アルベルの村に着いたのはその日の夕方だった。


 鬱蒼とした森の開けたところにある畑に囲まれた小さな村。

 村から伸びる道は2本。1本はついさっき、俺たちが通ってきた道で、もう1本は前線基地に繋がるもの。

 よく言えばのどか、悪く言えば何もない村である。


 俺達は着いたその足で村長の元を訪れていた。


「俺はマサヨシ、未来の勇者となる男だ。じいさん、あんた運いいぜ、孫に自慢しな。」

 おい、マサヨシ。お前は何を言ってるんだ?

「ぁう、あ、ぁぅぅ。」

 そしてロゼッタ、お前はもっと何を言ってるんだ?


 あーもう、村長ビックリするくらいきょとんとしてるよ。てかじいさんのきょとん顔とかどうすんだよ。


「冒険者ギルドから派遣されましたマリエルと言います。こちらはロゼッタ、少しあがり症なのでご容赦を。

 突然押し掛けてしまい申し訳ありません。今回はドラゴンの捜索のためにやって参りました。10日ほどの滞在の許可をお願い出来ないでしょうか?」

 仕方がないので俺が真面目に今回の来訪理由の説明と滞在の許可を求める。

 しかしこれって幼女の役割じゃなくね?


「村長をしているウルグだ。ドラゴンが出た等と言う話は聞いたことがない。どう言うことだ?」

 ウルグは人の上に立つ立場の者らしい威圧感のある声で聞いてくる。顔は年相応に深いしわが刻まれているが畑仕事、山仕事で鍛えられた身体は顔と不釣り合いなほど筋骨隆々である。


「がっはっはっ! 細かいことは気にするなよじいさん。なぁに、ドラゴンが出たら俺様達がパパーっと退治してやっから!」

「ぁぅ、あう!」

 マサヨシの強気な発言に、こくこく頷くロゼッタ。

 細かくないし討伐は仕事じゃないし、そもそも現状の戦力だと勝てない。そしてなぜやる気になったんだロゼッタ? 信頼を得ようとしてか知らんが、…そのアピール間違ってるぞ?


 とりあえず二人を手で制して話を進める。


「現在バビロニア大陸各国においてドラゴンの目撃、および被害の情報が多数報告されております。そのためイシュタリア全域でドラゴンの探索を行うこととなり、我々3人はここアルベル村周辺の担当となりました。」

 正直、こういった堅苦しいしゃべり方は得意じゃない。


「しかしこの村は前線基地も近い、調べずともよいと思うが?」

 ウルグはもう座り直して完全に俺だけに話しかけてくる。

「上もいない可能性が高いと考えております。しかし聖王国で竜の巣が破壊されたとの話もございます。万が一の場合新たな巣を作られる危険性があるための全域探索となっております。どうかご理解を。」

 聖王国の話はしていいかわからなかったが理解を得るために出し惜しむべきではないと思ったので話した。


「なるほど、滞在は許可しよう。

 ただしよそ者の冒険者をよく思わない者もいる。あまり好き勝手動き回らないようにしてくれ。」

 ウルグは言う。

 冒険者とはギルドが身分を保証してくれているとはいえ、半分ごろつきみたいなものだ仕方がない。

「滞在の許可を頂き感謝致します。

 お願いばかりで申し訳ありませんが滞在中の拠点と僅かばかりの食料を融通して頂けないでしょうか?」

 当然こんな小さな村に宿なんてない。どこかのお宅で軒を借りなければならない。


「食料は探索中に肉をとってきてくれれば野菜と交換しよう。もし何もとれなければ金を払ってもらう。逆に多くとれたのならこちらが買い取らせてもらう。まぁたいした額は払えんがな。

 拠点は村外れに今は使っていない納屋がある。3人で日に銀貨1枚でよければ好きに使うといい。」


 うむ… 困った。


 いや、金はある。ギルドマスターにアドバイスもらってたからちゃんと持ってきた。


 …ただ、宿なんて使ったことないから相場がわからん。


 つぅかよくよく考えたら俺、借金返済の為に貯め込んでばかりだし、たまの贅沢はギルドで飲むリンゴジュース(ターナーおじちゃんの甘やかしによるマスコット価格)だし、今一つ貨幣価値わかってなくね?


 困った時のマリエルさーん!


ー1万年前に生きていた私が今の貨幣価値なんてわかるわけがないでしょ?ー


 …デスヨネー。


 元いた世界の1万年前なんて新石器? 中石器? な時代だし貨幣あったかすら知らないし。



 困ったので目でロゼッタに助けを求める。


「ぁぅ?」

 困ったように首をかしげるロゼッタ。


 いや、口に出して聞かなかった俺が悪いんだよ。

 ただ、


 …お前は犬か?



 仕方がないのでマサヨシへ目を向ける。


「…チッ」


 うわー、めっちゃ不貞腐れてるー。


 そら、かっこよく『勇者』名乗って無視されたらやさぐれるわなぁ。

 とはいえ相談できる相手もいないしこのまま不仲を続けるわけにもいかない。



「リーダー、どうしたらいいと思う?」

 俺はマサヨシに声をかける。


 周りがポカンとしたのがわかる。


 マサヨシとロゼッタは突然すり寄った俺に、ウルグは「えっ? こいつがリーダーなの!?」といった感じなのだろう。


 俺だってこんないきなりなことはおかしいと思う、ただマサヨシならなんとかなる気がした。


 だってバカっぽいし…


 簡単におだてられるバカならよし、そうでないとすれば俺がマサヨシに対する評価と態度を見直す必要があるとわかるだけよしとしよう。

 この場の解決にはならないが…



「リーダーって… 俺がか?」

 マサヨシが不審げに聞いてくる。

「何を言ってる、普通に考えてそうだろ?」

 口調は普段と変えない。

 さすがに敬語にしたらあからさま過ぎるし、何より俺が疲れる。


「俺がリーダー… ああ、そうだな。普通に考えたらそうだな、うん。」

 マサヨシは納得したようだ。

「で、どうするんだ?」

「何をだ?」

 こころなしかマサヨシの態度が軟化している。

「拠点や食料のことだ。

 生憎俺は世間知らずな子供だし、こういった最終判断はリーダーがすべきことだと思う。決めてくれ。」

「んー、そーだな。

 一般的な宿だと簡単な食事がついて銀貨3枚。ボロ宿や素泊まりなら銀貨1~2枚。高級なとこなら銀貨5枚以上が相場だ。納屋でも3人で銀貨1枚は格安だな。

 よし。じいさん、よろしく頼むぜ!」

 マサヨシに説明されて改めて自分の一般常識のなさを痛感した。


「では案内しよう。火は焚いても構わんが火事は起こさんでくれよ。」

 ウルグの言葉を合図に俺達は移動する。



 しかし、マサヨシが簡単におだてれるバカのようでよかった。

 ただ今までの移動中もロゼッタを無理やり襲ったり等はしていないし悪いバカではなさそうだ。


 まぁ何はともあれこの依頼、なんとかやっていけそうだ。

更新かなり遅れました。


自分の文章の何がダメかなんとなくわかってきたので頑張ってみました。…試行錯誤したつもりなのに読み返すと何も変わっていません……

あれですね、自分の能力が足りないことをいきなりやろうとしてもできるわけがない‼

というわけでこれからも試行錯誤しながら少しずつレベルアップしていけたらと思います。拙い文章が続きますが読んで頂けたら幸せです。

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