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永久のぺったん

 バビロニア大陸の東、マルクト国。


「聖王国のくそどもがあぁぁぁ!」

 マルクト国国王、ギルバードは手に持った笏を壁に投げつけていた。

 笏は王の象徴である。

 しかしその事を咎めるものはいない。

 見渡せば配下のものたちは皆、一様に苦々しげな表情を浮かべている。

 たった今伝令から告げられた情報は皆をそうさせるのに十分だった。


『ドラゴンの大量飛来は聖王国が竜の巣を不用意につついたことが原因である。』


 山岳地帯であるマルクトはドラゴンが巣を作るのに適していた。

 おかげで冒険者ギルドだけでは人手が全く足らず僅かな防衛部隊を残し武官達は出払ってしまっている。

 それは元々はイシュタリア侵攻のためにかき集めた部隊であった。

 計画では今頃は出立を指示しているはずであった。

 それがこんなことで潰された。


「えぇい、忌々しい。」

 ギルバードは手を軽く振り伝令を下げる。

 こいつが悪いわけではないがしばらくは顔を見たくない。


 今マルクト国は存続の危機に瀕している。

 ドラゴンの強さが原因ではない。大軍をあてているのだ、月が2度3度満ちた頃には大方方がついているだろう。

 問題はそちらではない。

 ドラゴンの討伐に大軍を派遣させられ、大量の軍費を消費させられたことだ。

 マルクト国は資源に乏しく、イシュタリアは喉から手が出るほど欲しい土地である。

 しかし魔王クルルの軍は精強でマルクト軍の勝ち目は薄かった。もし、万が一魔王クルルを含む主力がごっそりクーデター鎮圧のため魔界に帰還でもしていればもしかしたら、といったレベルである。

 それでもマルクト国は戦争をせずにはいられなかった。いや、しなければならなかった。

 資源の乏しいマルクト国は戦争をすることが存在意義であった。

 道が広く大軍の移動に適したダンジョンを持つマルクト国は度々魔皇軍の侵攻を受けてきた。マルクト国はその都度バビロニアの盾として戦った。

 他の国が侵攻を受けたときには積極的に援軍を出し、バビロニアの剣となった。

 そうすることで他国からの支援を受けマルクト国は生きてきた。

 しかし、魔皇国からの侵略の可能性が無くなったとなれば支援は激減する。

「いや、金に汚いバビロンのことだ。最悪停止もありうるな。」

 ギルバードは呟く。

 バビロンは表向きイシュタリアの経済封鎖を主導しておきながら、裏では闇商人を使い穀物などを安く仕入れ素知らぬ顔でマルクトを含む他国に売りさばいている。

 なるほど、聖王教会に富と悪徳で退廃していると言われるわけだ。

 だがそんなことはどうでもいい。

 なんとしてもマルクト軍はバビロニアの剣として未だ魔皇軍と戦っていることを示さねばならない。

 でなければ国民の生活はおろか軍の維持すら出来なくなる。

「誰か、エルキに使者として行ってはくれぬか?」

 エルキ国はバビロニア大陸南方に位置しマルクト国に隣接する友好国だ。

 もはや自国だけでの侵攻は不可能。

 ギルバードは一縷の望みにかけ使者を派遣した。



☆☆☆



 イシュタリアの街を出発して4日、俺はギルドが手配した馬車に揺られマルクト国境近いアルベルの村を目指していた。

 イシュタリアの街を出た時はもっと乗っていたが別の村に到着したところで降りていき、今この馬車には3人の冒険者が乗っている。


 今回の依頼はこの3人でパーティーを組んで行う。

 一人は先日俺に絡んでギルドマスターに叱られた新米冒険者のマサヨシ。革鎧に盾に長剣の一般的な戦士タイプ。

 名前は日本人っぽい。もしかしたら異邦人の可能性もある。

 だとしたらいろいろ聞きたいことがあるのだが先日の件のせいかマサヨシは明らかに俺への態度が悪く会話にならない。


 もう一人はロゼッタという、魔法使いの女性。

 こちらはなんというか、すごい。

 男なら確実に目のいくゆったりとしたローブの上からでもわかる大きな胸、形のいいお尻。

 俺も思わずガン見してしまった。まぁ幼女だから問題ない!


 ペタペタ。

 やっぱないなぁ。

 何故か自然に自分を確認してしまった俺。


()()()、しているのから?ー 


 地獄の底から這い上がって来るような声で凄んでくるマリエルさん。

 多分このあとの対応がまずかった。


 大丈夫! これから成長するさ‼


 きちんとフォローした(つもりの)俺。


 ごすっ!


 マリエルさんに殴られました。


 どうやってって?

 物理的に。


 つまるところ端から見て自分で自分をぶん殴った。

 喋るだけじゃなくて少しならマリエルさんも身体を動かせるようです。


 端から見てそんなことしたんです、ロゼッタさんにも引かれましたよ。

 女心って難しい。


 言っとくが俺は胸の大小にこだわるような小さな男じゃないぞ?

 おっぱいはおっぱいで素晴らしく、ちっぱいはちっぱいで素晴らしい。胸の貧富に貴賤はない‼

 …ただまぁ、マリエルちゃんはこのまままな板を貫いて欲しいなぁ。

 今は俺の身体、たとえ外見が違っても巨乳になった自分なんて想像したくない。


 永久のぺったんを祈りつつ俺はロゼッタを見る。

 きれいに切り揃えられた焦げ茶色の髪に銀縁の小さな眼鏡のいかにもできる女な雰囲気の人に見えた。


 最初だけは。



「でさ、ロゼッタちゃん。この任務終わったら俺と正式にパーティー組まない?」

「ぁ、あう、うぅ。」

「俺らさ、絶対相性良いって、ね。」

「ぅ、ううぅ。」


 この4日間ずっとこんな感じ。マサヨシが口説いてロゼッタがあうあう言ってる。

 一応俺もフォローしようとしたよ?

 そしたらマサヨシが絡んできて場が険悪な空気になり、よりあうあうがひどくなりました。


 …もうしない。がんばれロゼッタ。


 ギルドマスターの話だとマルクト軍もドラゴンで大変だから国境越えなきゃ大丈夫、前線基地あるから多分ドラゴンいないし大丈夫、なんかあっても前線基地頼れば大丈夫、らしいけど…


 このパーティー、全然大丈夫じゃなくね…?

どんどん更新が遅くなっていきます。すみません。

サブタイ決めるのが面倒。(わりと話書く前に決めるせいだ)

思ったように話が進められない。やはり主人公が弱すぎた。

地味に『マリエル』って名前で該当者が常に二人いるのがしんどい。

何書いてんだろ? 自分…

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