ショボいって言うな!
どうもこんにちは、へたれポンコツ主人公マリエルです。
人間界についてさらに2ヶ月がたちました。
本日は皆さんに報告があります。
なんと! まっとうな身分を手に入れました、冒険者です‼
まぁ、冒険者ギルドに名前を登録しただけですけど… …ほら、冒険者ってまっとうな職業じゃないからそれで大丈夫だって。ちなみに登録の際、種族『魔族』って書いたら受付のお姉さんに叱られました。『人間族』ってことにしてます。
とりあえずこれで他国にも行けます。お偉い様方が生活しているエリアには近づけませんが。
…イシュタリアからの入国は許可されないので先ずは密入国ですが。
…そして入国できても肌の色で魔族がばれるから何とかしなきゃなんですけど。
つまり現状は相変わらずイシュタリアから出れません。
密入国はイシュタリアにやってくる顔見知りの闇商人に金を払い同行させてもらうか、割安で護衛を引き受けるかでなんとかなるよう話をつけました。今は金も護衛出来る実力もないんだが。
問題は肌の色。
貴族の使う白粉を使えばなんとかなるが高価な上冒険者の入れるエリアだと取り扱っている店がない。
よって現状は何ともならない! なんてこったい。
というわけで今はひたすらギルドの依頼をこなしつつ金を稼いでレベル上げ。クルルに借金もあるしな。
そう、ゴルゴリに依頼した長巻は無事出来上がりました。重ねが厚く身幅の広い刀身およそ1m、丸く膨らみ大きめの石突きみたいな柄頭を持つ柄もほぼ同じ長さで全長は今の俺の身長どころか一般男性より余裕ででかい。ちなみに膨らんだ柄頭はゴルゴリの案、目的は重心を少しだけ中央に寄せ扱いやすくすること。
光を受けると白く月のように輝くが夜は完全に闇に溶けるその黒い刀身から『朔月』と銘をつけました。
…えらい高くつきました。
ゴルゴリさんが言ってた試してみたいこと、合金でした。
「異なる二つの武器の武器を合わせられるのなら、異なる二つの金属も合わせられるのではないだろうか。」とかいって楽しそうに人間界の希少鉱石『聖銀』と魔界の希少鉱石『邪鉱』を合わせてくださりました。そんなよくわからない伝説的素材で実験しないでください。
普通に鉄鋼でよかったのに。「いい勉強になった。特別に材料費だけでいいぞ、がっはっはっ!」とゴルゴリは珍しく笑ってましたが、…正直俺には泣きたい額です。
当然払えるわけがないので約束通りクルルに立て替えてもらいましたが。今はリンゴの接ぎ木がうまくいくことを祈っています。じゃないと申し訳なさ過ぎる。
というわけで現在、ダンジョンの中にいます。最初に全裸でいた洞窟です。
いっとくが今は全裸でも全裸マントでもなく服着てるぞ。
ー誰にいってるつもりか知らないけれど、普通はそんなこと考えないから大丈夫よ。ー
えー、でも俺何故か変態だと思われてそうだから勘違いされてそうじゃん?
ー何故かってそれはあなたが変態だからでしょ?ー
基本こんな感じだがあの夜以降マリエルは普通に話してくれるようになった。
しかし、これのどこに惹かれたんだユリウスは? あいつひょっとしてマ
ーバカなこと考えてないで前を見なさい、敵が来たわよ。ー
朔月を構え前を見ると蜘蛛が3匹いる。ここはかなり浅い階層なので始めにあった蜘蛛より二回りほど小さい。
モンスターはダンジョンの奥に行くほど強くなる。ただ魔界側が一番強いのではなく折り返し地点が一番強くそこからまた弱くなっていくらしい。
俺は朔月の柄の端を握る左手に力を込め、そして
ダッ!
俺は突っ込み一気に間合いを詰める。
そんな俺に蜘蛛たちは一斉に糸を飛ばしてくる。
蜘蛛の攻撃で最も厄介なものはこの糸だ。召喚されて最初にあった奴は俺が弱すぎたのでいきなり襲ってきたが、基本的にはまずこちらの動きを封じにくる。
俺は朔月の切っ先で糸をそらし断ち切り進む。
多くの冒険者たちは松明で燃やすそうだがあいにく両手武器で能力『暗視』持ちの俺は松明は持ち歩かない。
そんな理由で特攻。最近ベアの新兵訓練に参加させてもらっているが別にクルルの軍に毒されたわけではない。
俺は勢いそのままに一番近くにいた1匹目の頭部に正面から朔月を突き立てる。
硬い殻を突き破り柔らかい肉に沈み混む感触が手に伝わる。反対側の殻に当たったところでグリンと捻り脳を完全に破壊してから引き抜く。
飛び散った紫色の体液の向こうから2匹目が飛びかかってくる。
飛びかかってくるといってもこの狭い通路では全身のバネを使った全力の攻撃ではない。俺は冷静に前肢をはねつつ回避する。
蜘蛛は噛みつくときに前肢で押さえ込むのでこうしておけば攻撃力は半減。俺は前肢の無い側へと立ち回り今度は側面から頭部を破壊。
少し離れたところにいた3匹目はいきなり仲間が殺されて固まっている。
当然この隙を逃すわけはないのでダッシュで近づく。
我に帰った3匹目は反転し逃げようとしている。
「逃が、さん!」
左腕一本で突き、全長およそ2mという朔月のリーチを最大限に生かす。
ガスッ
朔月はかろうじて蜘蛛の頭部を掠める。片手突きだとどうしても命中率が悪い。
「くっ!」
慌てて頭のなかで火魔法の準備をする。まだ魔法は練習が十分とは言えないが仕方がない、片手突きの後は直ぐに攻撃に移れないからだ。
しかし蜘蛛はその場に倒れこみ痙攣している。どうやら掠めたところがよかったようだ。
「ふぅ、」
一息ついてとどめをさす。
ー30点、といったところね。ー
おうふ、手厳しい。
戦闘の後はいつもこう。マリエル先生の説教、もとい反省会。
ー立ち回りはよくなったけれど武器の性能に頼りすぎね。あと、ー
くどくどくど……
ーわかったかしら?ー
はい…
勝った後に毎回説教です。言ってることはもっともなんですがなんかこう「勝ったぞー!」って感じが欲しいです。
ーあら、別に「カッタゾー」って叫んでもいいのよ?ー
…いえ、いいです…… そんな気分になれない。
蜘蛛の腹部をかっさばき糸玉を回収。蜘蛛の糸ってこんな風に入っていなかったと思うけど… ファンタジーって便利。
とりあえずこれで今回の依頼は完了。
ギルドにはAからEのランクがあって受注出来る依頼が決まってます。簡単にいえば、
Eはダンジョンの外での危険のない活動。
Dはダンジョン内比較的安全な場所での活動。
Cは弱いモンスターの討伐。
Bはボスと呼ばれるモンスターの集団討伐。
Aはボスの単独討伐。
となってます。まぁ、SとかSSとかいうランクもあるらしいけどそのあたりはもはや名誉なだけ。
俺? さっきの戦いでわからなかった?
C級冒険者だよ! ショボいって言うな! 泣くぞ‼
幼女が泣くと怖いぞー、お巡りさん来るんだぞー。
はぁ、早くA級になって借金完済したい…
昨日は更新出来ずすみません。
この話本当は3話くらいに分割するつもりでしたが展開が進まないので無理やりまとめてみました。いつも以上に読みにくくてすみません。
突っ込みどころたくさんあります。硬いもの刺した刀捻ったら折れるとか、虫 頭潰しても即死しないとか、ボスの強さ一括りにしていいのとか… 今さらですね!
…なるだけおかしくならないよう頑張ります




