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 真っ赤に燃える炉のなかで火蜥蜴(サラマンダー)が気持ち良さそうにあくびをしている。

 ちょっと可愛い。

 クルルとやって来たのはイシュタリア1といわれるドワーフの鍛治士ゴルゴリの鍛治場だった。

 ドワーフ、ずんぐりむっくりの毛むくじゃら、長いお髭なのナイスガイ。

 ゴルゴリは俺達に背を向けて何か作業に没頭している。

 スゲー、ドワーフだ。髭だ。こんな労働環境なのに髭長くて引火しないものかね?

 俺はあっちこっちキョロキョロしたり髭をガン見したりしていた。

 クルルとはしっかり手で繋がっている。

 もちろん俺が迷子にならないようにするため。色気なんてない、ちくしょう。


「出来てる?」

 ゴルゴリの作業が一段落したところでクルルが声をかける。

「なんだ、お嬢。来ていたのか?」

 クルルは特に名乗っていない。ゴルゴリも興味がないのか触れるべきでないと弁えているのかお嬢と呼び聞こうとはしない。

 ゴルゴリは額に浮かぶ大粒の汗を武骨な腕で拭い奥へ行き一降りの大剣を持って戻ってくる。

 ユリウスの持っていた聖銀の大剣が綺麗に直されている。

「まぁ、とりあえずは見た目だけだがな。しばらくすれば元の大剣のもつ魔力と新しい聖銀の魔力が溶け合い混ざり出す。それが完全に混ざりきった頃には金属同士も一体化するからそれまでは無茶な扱いはするな。」

 かなりガタが来てたから一体化するまではかなり脆くなっているらしい。

「あとわかってると思うが聖銀は魔族にとっては毒だ。かすり傷でも甘く見るな。」

「ん、わかったよ。ありがとう。」

「気にするな、仕事だ。」

 ゴルゴリさん、カッコいい。寡黙じゃないけど武骨で男らしくそして髭! 髭を飾りとかいうやつはわかってない。髭はロマンだ!

 あかんあかん、男として髭に憧れるのはいいがこの身体で髭好きはちと早い。今の俺は幼女、髭への憧れは捨てるんだ!

 …でも幼女に大人気なサンタクロースとか言う白髭じいさんもいたよな…… ならいいか。髭いいなぁ、ハアハアハア…


「でお嬢、この小さいのはなんだ?」

 やった、ダンディーな髭のおじさまに気づいてもらえた!

「お客様だよ。」




 気がつけばクルルはお疲れだったのか応接室のソファーで寝ている。

 なので俺とゴルゴリは男同士の楽しい楽しいオリジナル武器談義に花を咲かせている。多分この楽しさは男の子にしかわからん。

「なるほど、ずいぶんと変わった武器だな。」

 俺が長巻の形状を説明するとゴルゴリは言った。

「作れないか?」

「ふん、ワシを誰だと思っている。」

 ゴルゴリさん、頼もしいっす。やっぱりお髭は伊達じゃない!

「むしろ小さいの、お前が使いこなせるか疑問だな。」

「名工ゴルゴリに作らせるのだ、意地でも使いこなしてやるさ。」


 ついでこの世界には刀がないとのことなので日本刀の作り方を知ってる範囲で説明する。(昔本で読んだだけなので焼き入れの際に峰側に泥を乗せるとかそのくらいだが。)

「なるほど、泥により急激に冷えるのを抑え、硬い鋼と柔らかな鉄の硬さとしなやかさを持った武器というわけだな。」

 俺の足りなすぎる説明でもゴルゴリは理解してくれた。

「出来るか?」

「…わからん。」

 ゴルゴリは少し考えてから答える。

「わからん?」

「ワシはやったこともないことを出来ると言える愚か者ではない。」

 むう、確かに材料となると金属だって向こうの世界と同じとは限らないわけだからな。

「が、異世界の鍛治士に出来てワシに出来ないと言うのは癪だ。」

 そしてゴルゴリは不敵に笑う。

「小さいのが意地でも使いこなすと言うのならワシも意地でも作り上げてみせよう。」

 そういって片手を差し出すゴルゴリ。

「愚か者ではないと思うがこんな子供のお願いに意地をはるなんて馬鹿者だと思うぞ。」

 俺はその厚く使い込まれた手をとる。

「それはお前もだろう、小さいの。」

「まぁな、だが嫌いじゃないぞ?」

「ふん、ワシもだ。」


 その後しばらくゴルゴリと長巻について話をする。材質についてはゴルゴリがやってみたいことがあるらしい。ここまできたらとことん実験的なことをやってみよう。


「んーん…、お話終わったー?」

 クルルが起きる。

「おお、お嬢。すまんな、ずいぶんと話し込んでしまった。」

 そしてやりたいことがある、と言って作業場に戻っていった。

 きっとさっきの話を色々と早速試しているのだろう。

「ごめん、待たせた。」

「いいよ。ただついでに視察したいとこあるから、もう少しボクについてきてね。」

 そしてクルルと俺はイシュタリア郊外に足を伸ばした。




 やって来ましたは郊外にあるリンゴ畑。隣にありますはミカン畑。

 ファンタジーって便利。

 もとの世界だったらあり得ない光景。だって生育環境がまるで違うから。この世界の農家さんが言うには「砂漠と凍土以外なら野菜も果樹も育つ。」とのこと。ただ土地の質で出来上がるものの質が決まるとか。当然イシュタリアの土地は最高だ。


「「美味しいない。」」

 俺達にはリンゴを食べている。質はよくて不味くはないが美味しくない。

「なぁ、どうして俺らはこんなにリンゴを食べているだ?」

 リンゴ畑で俺とクルルは延々リンゴを食べている。一切れ二切れしか食べていないが10種類も越えるとさすがにつらい。

「美味しいリンゴはあるんだけど病気に弱いからなんとかしたいんだよ。」

 どうやら品種改良はあるらしい。

「上手くいってるのか?」

「…今食べてるのだよ。」

 農家さんはすごく申し訳無さそうにしている。

 品種改良、上手くはいっていないようだ。

「病気に強いリンゴはできたんだけどね。味がよくならないんだよ。」

 病気に強いものと味のいいものはある。なら、

「接ぎ木は出来ないのか?」

 そもそも『植物』というくくりからもとの世界と違う気はするが、もし出来るのなら病気に強い木に味のいいものを接いでやればいい。

「試してみる価値はあると思います。」

 俺の説明を聞いた農家さんはそういった。

 結果が出るまではわからないがこの世界に来てはじめて役に立てた気がする。




「本当、ユキって不思議なことを知ってるね。」

 帰り道クルルに言われる。

「まぁ、広く浅くだけどな。」

 思えば俺は知らないことを知ることが好きだった。

 知らないことを知ったとき世界が新しくみえるとまでは言わない。だが世界はほんの一部だけだが遠くまでそしてクリアにみることが出来る。少しずつ世界は拡がり姿を表し、自分がここにいることを教えてくれる。

 だから多分、俺は進学したかった。

 それを弟達に押し付けてしまったわけだが。


 ああ、そうか。だから俺に能力(スキル):『学習』があったのか。


 もちろん本当のところはわからない。でも俺にはそれがとてもしっくりした。

「クルル、ありがとう。」

「突然なに?」

「いや、何でもないよ。」

「? 変なユキ。」

 クルルが不思議そうにしている。


 この世界に来てから俺はどうしたらいいのかわからなかった。

 真っ暗な世界に俺がいるかもわからなかった。


 でも真っ暗な世界に俺はちゃんといるってわかった気がした。


 さぁ始めよう、少しずつ知っていき真っ暗な世界をクリアにしよう。

大丈夫です。髭×幼女なんて誰得なことはする気はないです。ただ髭が好きなだけです。

わかったことです。どうも自分は説明描写が苦手なようです。アドバイスをいいだけると助かります。

最後になりましたがいつも読んでいただいている読者の皆様に感謝と読みにくい文章である謝罪を申し上げます。ありがとうございます、そしてごめんなさい。

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