選者は勇者2
テストが終わった。結果は……。
「茜、信っじられない!ノー勉で私より良いとか何なの?」
「へへへ…」「実は勉強してたんでしょ?」「違うんですな!」
「じゃあ何よ?」「うーん…偶然。」「は?」
本当に偶然だと思う。
答えが湧きだすように出てきて、勝手に手が動いたんだ。
なーんて言えず。
「多分たまたまだよ本当に勉強してないし。」「ふーん。」
普通の女子なら納得してくれなかったり妬まれたりするのだが、
舞はそれで納得してくれる。…優しい友達だから?たぶん違う。
「普通の女子じゃないんじゃないかなー…。」「??何が?」
「何でもない。」「あら、そーですか!」
女子力の低さは私といい勝負。実はオタクだったりもする。
「そこのお二人さーん!」「おお!美波!」美波、舞、私は同小出身。
まあ、小学校のころは一度も話したことなかったんじゃないかな。
中学校入ってから仲良くなった。そんなもんでしょ?
ちなみに美波の女子力はトップクラス。私服はいつも洒落てる。
でも、彼女に言わせると、こだわりがあって。
「ブランドもので可愛くなるのは当然だから意地でも着ない。」
もしブランド物を着たらもっと洒落るらしいです。解せぬ!
「今日の昼食、外いかない?天気もいいし。」「おお!いいね!」
私たちの学校は雨天以外は昼に屋上を開放している。
そこで昼食を食べることは本当は禁止なんだけれど、暗黙の了解って
やつで、先生も黙認している。というか先生もたまに食べてる。
「じゃあ、昼休み、屋上で!」
紹介するのを忘れていたけど、美波だけは隣のクラスだ。