拡散と霧散のプロローグ*
パンデミック、という言葉を知っているだろうか?
英語でpandemic、語源はギリシャだそうで、病……特に伝染病や感染症が世界的な感染の流行を意味しているようで。感染爆発とか。
あ、質問とかは無しでお願いします。
手元の天才的な機械で調べながらなんでね。
ススー…ん?あ、明日あれの発売日か、危ない見落とすとこだった。
……うぅん、失礼。
と、とにかく。パンデミックとは怖いとか恐ろしいとか、何よりちょっと行き過ぎたらナントカハザードが起きそうだ!
……詳しく話したいが、俺が特殊機関に捕まりそうになるかもしれないので各自察してほしい。余計な領域侵犯でこの世を去るのは頂けない。
映画のネタにはもってこいの世界の危機とかいうやつだ。
ただ、安心してほしい。
これは別に生物学を永遠にとか細胞について小一時間、なんてことになるような物語ではない。
俺もそんなのは嫌だ。好きな人はいるんだろうけど……感じ方は人それぞれとは言ったもので。
──さて、簡単に前置きを作ってきたわけだが。
人は繋がりを求める、これもまた病気なのだろうか?パンデミック?
本能とか習性とかでも纏めれるんだろうけど、俺はこれも一つのパンデミックなのかもしれない。世界で常に起きて拡がっているものなのだから、こんな考え方をしたっていいじゃないか。え?履き違えてる?イイだろ別に……学生の本分は学業と妄想なんだ。
健全なる男子高校生なら尚のことだ。変態とかそういうのじゃないぞ!違うぞ?
いいかよく聞いてほしい、別に高校生ともなっても性の欠片もないとかそんなことはない。ちなみに俺は……
──割愛。
パンデミック。拡がり、繋がり。それは感染症のごとく蔓延していく。
本来の意味は違えど、この言葉は俺から離れない。何となく、それでも確かに、俺の片隅でパンデミックが起きているように。俺の住む世界にもパンデミックが起きている。
これは俺の死後。
不条理にも感染してしまった人生、そしていろんな奴に出会ったその辺の高校生の話だ。