二人の日常、一希の事情
不器用な女子の恋の物語。ぜひ、お楽しみください―――…。
「本当にそれで行くの?」
「うん。」
「でも…」
「大丈夫。碧璃だっているでしょ」
「それは…でも、寮に入らなくたって…」
「お母さんの言いたいことはわかってる。大丈夫だよ。中性的な顔だし、名前だって…バレないよ、絶対。」
…反対する母を押し切り、ドアを開ける。
「じゃ、行ってくるよ。…『母さん』…。」
そう言って、ドアの向こう側に行ったんだ―――…
1年後―――7月
「ねぇ、いる?」
「いないよー。どこ行っちゃったんだろ…」
「向こうも行ってみよ!」
「うん!」
数人の女子が去っていく。すると、入れ違うように顔見知りの少女がこちらに向かってきた。
「相変わらずねー。女子にモテモテ。」
「うっさい…ほっといてよ!女子にモテても、ちっとも嬉しくない…」
「本当、ドンマイね!この学園唯一の『男子生徒』さん!」
「からかわないでよ、碧璃…」
彼女は北川碧璃。中学からの親友。そして、たった一人の女友達。
「はいはい。一希ちゃん。」
「碧璃…わかっててわざとやってるでしょ…。」
…そう。私は、『唯一の男子生徒』。…ではなく、実は、女だ。私は、女子の、高城一希。元々は女学校だった、この月詠学園。最近共学になり、男子生徒の受け入れを始めた。
私…いや、僕、というべきか。僕は、碧璃に誘われてこの学園を受験した。一応は女子として受けたものの、僕は女子が嫌いだったため、男子として入学した。面接の時に、先生や理事長の許可を得て、男装して登校している。
碧璃曰く、男装のクオリティが高いらしく、イケメンらしい…。案の定、僕は女生徒に、『唯一の男子生徒』と思われ、毎日追いかけ回されている。
「本当、一希やばいよ?中性的な顔してるから、女子は、カッコカワイイとか言ってるし、性格が性格だし…」
「僕は女は嫌いなの!醜いし、怖いし、イヤなの!そんななのに、追いかけられるなんて…ありえない!…あ、でも、碧璃は特別だよ!ちゃんと親友だからね。」
「わかってる。ありがと。でも…なんだかんだ言いつつ、放っておかないから、ツンデレっぽくなっちゃって、さらに女子を落としちゃうんだよ」
「う…言い返せない」
「クールな態度とっておきながら、困ってる女子を助けたり…そんな細かな優しさがあるなんて、ギャップがたまんないでしょうね、女子は。」
…女子の意見なだけに、納得できるんですけど…
「安心して?私は一希に惚れたりしないから」
「そうなったら僕、泣くんだけど」
「まあまあ。それにしても…」
碧璃が困ったような顔をして言う。
「一希も、誰か運命の人と出会えたらねー。」
「……え?」
僕は、碧璃の言った、考えたこともなかった例のソレを、頭におもりとして落とされたのだった……。
一言で表すと…非常に長いです(笑)
文章のレベルも低いかもしれません…。
でもでも!それでも全然いいよ!カモン!という方、お付き合い頂ければと思います!もちろん、どんな方でも大歓迎!恋がよくわからない恋愛ビギナーの方、恋愛小説大好き!という方、暇つぶしに読みたいという方、恋愛の勉強をしたいという方…どんな方でも読める小説です。長く続けていきたいと思っておりますので、よろしくお願いします。
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