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心底むかつく展開を頭に巡らせながら、身体を起こす。
うへえ、服がどろんちょ。
「ほんっと……最悪だ」
ぼやきながら立ち上がり、捻った足の具合を確かめる。うん、痛い。
ちょっと歩くのがしんどいくらい本格的に捻ってしまったようだ。正直、もう帰りたい。
しかし、今帰ればジジイの捕獲網に間違いなくひっかかるだろうし、何よりこのびっこをひいて泥まみれの格好を見られれば、おれの身に起きた不運が一瞬にして露呈しちまうだろう。
つまりは、この上なくダサい。
帰るに帰れないおれは、文字通り這々の体で丘を目指すしかなかった。
神様なんてのがいるんなら、よほどおれのことが嫌いなんだろうな。
おれだって大嫌いだ。
こんな、嫌がらせばかりしてくる神なんて――