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桜の木の下で  作者: リンゴいぬ
4月 部活それぞれ
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第一話 雫Side


あの入学式から半月が経って、今はちょうど4月の半ばになっていた。


「うおー腹減ったー。」


「今食べてるじゃん。」


結羽ちゃんが陸にツッコミを入れた。今は昼休み。教室でみんなとお弁当を食べている。みんな、というのは陸と優音くんと結羽ちゃんと林檎ちゃんと犬石くんのことだ。入学式の次の日から優音くんと仲良くするのはもちろん、結羽ちゃんと犬石くんは意外に仲良くなって…いるのかな。犬石くんが結羽ちゃんに絡んでるだけのようにも見えるけど、とにかく仲良くなったので私たちと同じグループにいる。最近は陸と優音くんとも仲がいいみたいで安心だ。林檎ちゃんとは相性が良くなさそうだけど…まぁ、喧嘩友達みたいっぽいし、そんなに心配いらないかな。すると突然林檎ちゃんがあっ、と言った。みんなの視線が林檎ちゃんに集まる。


「そういえば今日はクラブ紹介の日ね。みんなは何か決めているの?」


林檎ちゃんは少し真剣そうに尋ねた。部活によっては帰る日や時間が決まるから真剣に考えとく方がいいわよ、と林檎ちゃんが言う。私はすでにに決めているので、みんなを見てみる。みんな真剣に悩んでいた。クラブ紹介が終わるとすぐに仮入部は始まるので早めに決めているみたい。新設校だからまだ部活があまり多くはないし、みんなすぐに決まりそう。すると林檎ちゃんと目が合った。雫は?、と聞かれたので私は元気良く答えた。


「陸上部です!」


すると陸もオレもだな、と頷いた。


「走るのは好きだし。中学からやってるしな。」


そのうえ賞も何度か取っているので陸にとっては尚更だろう。


「そんな林檎ちゃんはもう決まっていますか?」


そう林檎ちゃんに聞き返すとそうね…と呟いた。


「やっぱり、空手部かしらね…。」


あー…。やっぱりか。結羽ちゃんと陸と納得して微妙な顔をしていると、それを知らない犬石くんと優音くんは意外そうな顔をした。


「林檎ちゃんが空手かぁ…。」


「えっ、りんちゃん意外!」


「ちょっと、そのりんちゃんやめてくれない?」


林檎ちゃんが犬石くんに敵意むき出しで言った。犬石くん、人の名前を縮めるのが好きなのかよく縮めるんだよね。私もしぃちゃんって呼ばれたし…。優音くんもゆうくんだったし…。結羽ちゃんだけそのまんまだけど。縮めようがないもんね。おっと、話がそれちゃった。


「林檎ちゃんって呼べって言ったのりんちゃんじゃーん!」


「りんちゃんと呼べとは言ってないわよっ!」


林檎ちゃんが軽く蹴りをかまそうとする。その瞬間、犬石くんが腕を組んで蹴りを止めた。


「空手の経験者はりんちゃんだけじゃないんだぜー?」


「っ!?」


犬石くんがケラケラと笑うと林檎ちゃんはバッと離れて目を白黒した。私達も唖然とする。林檎ちゃんは部活だけじゃなく幼い頃から空手をやっていたらしい。幼馴染の結羽ちゃんから聞いたのだから確実のはずだ。そんな林檎ちゃんの蹴りは軽くたって運動が得意な陸でさえ止められない。それをあんなに軽々と止めるなんて…。犬石くん恐るべし。


「いやー、オレも高校は空手部かな!ゆうちゃんはどうするの?」


「え?私?」


いきなりニコニコとして犬石くんに聞かれた結羽ちゃんは戸惑いモゴモゴと言いかけてやめるを繰り返した。みんなが不思議そうにしているとしばらくしてから、結羽ちゃんは観念したかのように呟いた。


「りょ、料理部…。」


「あ、僕もそれにしようと思ったんだ!」


すぐに優音くんが賛同した。結羽ちゃんはあからさまにホッとした顔をする。からかわれずにすんだからのようだ。よく結羽ちゃんは童顔で子供のような容姿だから料理ができるとか意外だってからかわれるんだよね。結羽ちゃんよかったね!そして優音くんは僕は一人暮らしだから料理の腕を上げたいんだ、と言うとみんなが頷いた。確かに料理のレパートリーは多い方がいいもんね。それに料理について相談もできるしピッタリだね。そして結羽ちゃんは料理は好きだからさらに腕を上げたいんだ、と嬉しそうに言った。


「そうだな。結羽のお菓子は美味いもんな。」


陸がうんうんと頷くと犬石くんがバッと陸の方を向く。


「えっ!りっくんマジで?ゆうちゃん今度持ってきてよ!食べてみたい!」


犬石くんがはしゃぎながら言うと結羽ちゃんはツンと横を向いた。


「気が向いたらね。」


向い側の犬石くんにはわからないだろうけど…隣の私から見れば結羽ちゃんがニヤけてるのバレバレだよ。褒められたのが嬉しかったんだね。林檎ちゃんがキッと犬石くんを睨んでいた。わぁ、なにこれ。昼ドラだ。犬石くんと林檎ちゃん以外が生暖かい目で見ていると結羽ちゃんがその視線に気づいて顔をしかめた。慌てて話題を振る。


「それじゃあみんな、それぞれで今日は部活の仮入部しに行くってことでいいですか?」


みんなに確認すると、それぞれ首を縦に振った。


「それなら今日は教室で待ち合わせて帰りましょう!」


「それいい案だね。みんなで帰ろうよ!」


優音くんが賛成してくれる。他のみんなも大丈夫だと言ってくれた。高校生になって始めての部活。すっごく楽しみだなぁ!




運動系の部活って憧れますよね。


こう、厳しい感じとかかっこいいです。


私にはあんなの耐えられません。


そんな私も運動系の部活ですけどね。


かなりゆるいですが(笑)


遊戯部に変えた方がいいかもしれません。





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