第十二話 優音Side
雫ちゃんがその日に事故に遭っていただって!?
「それってどういうこと!?」
勢いよく身を乗り出して尋ねると陸はまぁ落ち着けと僕を座り直させて、その日に雫ちゃんがどうしてたのか教えてくれてた。その日雫ちゃんは歩いて僕との待ち合わせ場所へ向かっていたらしい。メールをしていたからそれは確実だそうだ。その後、自動車に服の一部がひっかかってしまいひっくり返ってしまったらしい。幸い大きな怪我はなかったが当たった場所が悪く、記憶喪失になってしまったということだったのだ。だんだんとある程度のことは思い出し中学一年生のあいだに小学四年生くらいのことまではなんとか思い出せたらしいのだが、小学五年生と小学六年生の記憶は今でも戻っていないとのことだった。
「おかげで雫の中学の時の勉強がボロボロでな…。その時は林檎…あっ、さっきオレの隣に座ってた赤いゴムでポニーテールにしてた女子のことなんだけどわかるか?」
僕は頷きながら答えた。多分あの入学式の時に陸のことを笑ってた女の子のことだ。キリッとした顔であんまり笑わなさそうな女の子が笑ったので印象に残っていた。
「入学式の時に真剣な顔をした陸のことを笑ってた子だよね?」
「そこで覚えるなよ…アイツそれでオレのことからかうんだからよ。」
なるほど。いつもからかわれているのか…。いつの間にいじられキャラになったんだろう…。僕に、じとーっと見られていたのが気まずかったのか陸はそんなことより!と叫んだ。
「その林檎は頭が良いうえに勉強を人に教えるのも上手なやつだったから助かったよ。」
「陸は頭も良いし運動もできるのに、人に教えるのは苦手だもんねぇ…。」
…ここは昔と変わらなかったらしい。陸にサッカーを教えてもらおうと思った時のあの絶望感…忘れられない。言っていることが難しすぎて全くわからなかった。まさしく、日本語喋れよって言いたくなる説明だった。
「しょ、しょうがねぇだろっ!苦手なもんは苦手なんだから!」
「雫ちゃんにはいい先生がいてよかったよ。」
そう言って笑うと陸はちょっとムッとしたがはぁ、とため息をついて眉を下げた。
「とにかくこういうことがあってしばらくは連絡ができなくてだな…。雫が覚えていないとなると尚更連絡しづらかったんだ。本当に悪かった。いざかけようとしたら電話が繋がらなくなってたし…。」
「あぁ…それは多分僕が引っ越したからかな…。それにしても陸にもこんなに大変な事が起きたんだ。僕も辛かったけれど仕方がないと思う。だからさ、せっかくまた会えたんだからこれからはよろしく頼むよ!」
「ありがとう!任せとけ!今度こそ雫と前みたいに仲良しにさせてやる!」
そう言って僕たちは顔を見合わせ思いっきり笑顔でハイタッチをした。本当にまた2人と出会えてよかった…!うん…?そういえば雫ちゃん…。
「り、陸!今何時!?」
「うん?13時だけど…えっ!?」
12時にホームルームが解散されたから僕達が話し始めて1時間くらい経っている。
「し、雫ちゃんを怒らせたらまだアレ、くるの?」
震えながら聞くと陸に遠い目をされながら答えられた。
「まだまだアレはご健在だ。その上パワーアップしてる…。」
「うわぁぁぁ!陸!急いでカルピス買ってきてよ!」
「ちょっと待て!何でオレが買うこと決定なんだよ!」
いきなり表情を変えて陸は僕に聞いた。それなら答えは決まってる。
「雫ちゃんの再従姉弟だしヘタレだし身長ひく…」
「だぁぁぁ!もうやめろ!買えばいいんだろ買えばっ!」
身長のことを言いかけると陸はヤケになって自動販売機へと向かっていった。あぁ…なんか林檎さんが陸をからかいたくなるのがわかる気がする…。とりあえず後でちゃんと半分は払おう。うん。
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皆さん本当にありがとうございます!
読んでくださりありがとうヾ(*´∀`*)ノ
これからも頑張りますっ!
雫ちゃんのアレってなんなんでしょうね。
楽しみにしててください。
でも林檎ちゃんのアレの方が
強烈だと思います。