第一話
ジメジメとした暗い小説です。
苦手な方はブラウザバックを推奨します。
ハッピーエンドを無事に迎えられるよう、
頑張って行きますので
どうか長らくお付き合い下さい。
学校の男子トイレ、個室の中にずぶ濡れになった僕がいた。
夏場だというのに、頭から大量の水を被るとこんなにも寒いものなのか。
……もう、死んでしまいたい。
こんな人生を送る意味なんてあるだろうか?
いや、きっとない。
ない……はずだ。
僕はネガティブな思考を頭に巡らせながら制服の胸ポケットの中身が無事かどうか確認する。
こちらもずいぶんと濡れているが、流石は防水といったところか、手に取った携帯電話は無事であった。
12時48分。
既に午前の授業は終わっていて、今頃皆自分の弁当を食べながら笑っているのだろう。
きっと僕は、そこに戻れば、出くわせば、絶望してしまう。
あと何分。
あと何十分。
あと何時間。
こんな所に篭っていればいいのだろう?
僕はいつの間にかそう呟いてしまったことに気付き、声を殺して泣き始めた。
いや、呟いて改めてショックを受けたわけでは、きっと、ない。
誰もいなかったから。
答えが返ってこなかったから。
震える手でズボンから小型ナイフを取り出し、首に向ける。
こんなことなら、いっそ死んでしまえば楽になれるに違いない。
そう、思ったのに。
ナイフを落とし、ついに僕は声を上げで泣いた。