つかの間の日常3
「なぁ彩樹。お前は天使とか悪魔とかって信じるか?」
午前の授業が終わった月夜は弁当を取り出しながら言った。
すると彩樹はカっと目を見開き月夜に詰め寄った。
「どうしたの月夜!?お前は見えないものは信じない子だったろ!何か悪いものでも食ったのか!?拾い食いはいけないってお母さんはいつも言ってるじゃない」
「してないよ。失礼な」
てかテメエは母さんじゃない。
「じゃあ熱があるの…」
彩樹はそっと月夜の額に手を当てる。
「ない」
ビシィっと、その手を叩いて言う。
「それじゃあ何があったの、その心境の変化は」
「家に悪魔と天使が一匹ずついるんだ。しかも僕とおんなじ顔」
「それはぜひどうにかハアハア…いや、見に行かないとね」
「今の息は変態そのものだったぞ」
はっ、忘れていた。こいつは変態だった。
自分の事が大大大好きでそしてその自分よりも何か突出した才能を持っていると襲ってくるのだ。
今朝の一ちゃんとは別の意味で。
彩樹は男でも女でも大丈夫な両刀使いというやつだ。
まあ彩樹よりも突出した才能を持ってる奴なんてめったにいないけど。
僕はそれに当てはまったらしい。
クラスで始めて会ったときに襲いかかってきやがった。
あれから僕はつくづく思うよ。
よかった。彩樹よりも強くて。
ほっと息をついた僕は気づいた。
「何をしてるの、白離さんたち」
椅子に座っている月夜をしゃがんで斜め下から見上げていた。
本当に似ているな、この三人。
「ん?盗み聞き」
笑顔で返された。
てことは悪魔天使の話も聞いてたってわけか。
「じゃあ、白離さんたちは悪魔や天使はいると思う?」
「「「うん」」」
わあ、息ぴったり。
「そう思う根拠は?」
彩樹は間一髪いれずに訊いた。
すると白離さんたちは顔を見合わせて言う。
「だって、なぁ…」
「一には見えてるんですもの…」
「……」
…それはすごい。
「それは一ちゃんが何かを極めているってこと?」
「ううん。霊感が強いだけ」
霊感!!存在していたのか。
「じゃあ見えるんだったら放課後、こいつの家に一緒に行かない?」
「なんでお前が言うんだよ」
「行く」
わあ。返事されちゃった☆
三人に見つめられる。
「……分かった。放課後。家にいる役立たずどもを見においで」
「役立たずって…」
ハハハと乾いた笑い声を出す彩樹。
間違ってないもん。
「じゃあ、放課後そのまま席に座っててね」
「はーい」
はぁ。面倒くさいな。
こうして放課後皆で月夜に家に行くことが決まった。