つかの間の日常2
きょとんとした顔をしていると一ちゃんが突然襲いかかってきた。月夜はなにもなかったかのようによけるが、机が飛ばされて壊れる。
「ああ、また壊れた…二回目なんだけど」
ちなみに一回目は彩樹の仕業だ。
「…よけた…っち」
「今の見た?一に先制攻撃をされたのに軽々とよけたわよ」
「いきなり攻撃されて舌打ちされたんだけど、これって不条理以外の何者でもないよね」
「いや~机を壊してごめんね?一はちょっと血の気が多くてさ」
「十六夜は机を壊したくらいじゃ怒らないよ。ねぇ?」
「お前が今やったら殺すけどな」
「ひどい」
軽口を叩く僕たち。クラスの誰もこれくらいじゃ騒がない。
「飛鳥、このクラスの人たち冷静だね」
「弥生、今十六夜君は二回目って言ったよ。それに見て、あの手際の良さ」
月夜は既に机をどこからか出した釘とトンカチで直していた。
「あははは。これくらいは日常に良くあるからね。驚いたでしょ♪」
先生が笑いながら言っている。
「先生、そんなこと言ってないで止めてくださいよ」
月夜の抗議をさらっとながして先生は去っていった。
「あの人は一体何がしたいんだろう…」
月夜の呟きに後に来た彩樹が答える。
「ただ遊びたいんじゃないの?あの人子どもだから」
結局、白離姉妹は月夜の隣近所の席になった。




