ミッションスタート2
ちょっとグロいです。
それから十分後。僕は屋敷から出てきた。
あれだけトラップを仕掛ければSPなんていないも同然。車のライトを避けるようにして悪夜たちのいるところに戻る。
「ただいまー」
「おかえりなさい。お疲れ様です」
天月がねぎらってくれた。うれしくとも何ともないが…
「シッ。静かにしねぇか、ターゲットの御帰宅だ」
悪夜がささやくような声で言った。僕は黙ってターゲットの車を見送る。
「おい、本当に大丈夫なんだろうな?あと三分もないぞ」
「誰に物を言ってるんだい?この僕がしくじるわけないだろ」
自信は大ありだ。ターゲットと思われる人物が建物の中に入っていく。
「そこがお前らの墓場だ。クックック」
「ヒィッ」
夫声に出してしまった。天月が怯えてしまったではないか。
三分後。僕たちは屋敷に入った。
「血なまぐさ……」
悪夜が顔をしかめて呟く。
「しょうがないじゃん。トラップによっては体が三センチ大になるやつもあるんだし」
唇を尖らせて抗議してみる。すると悪夜と天月が僕に背を向けて何か言った。
「おい、訊いたか今の発言。あれはもう一般人の域を超えている、プロだ」
「月夜君を怒らせる事がないようにしましょうね」
「あの母にこの子あり、だな」
何かをお互いに確かめあっているようだ。秘密にされるのはあまり面白くない。
「まあいい。ここがターゲットの死に場所だ」
たどりついた部屋のドアを勢いよく開ける。血なまぐさい。
部屋をのぞいてみると50代ぐらいのおっさんが首から血を垂れ流していた。
「いま目が合いましたっ」
天月の悲鳴が聞こえ、倒れる体を悪夜が支えている。
「お前もえげつねえ殺し方すんなぁ」
呆れるような顔をして首だけしかない死体に近づく。
「うわーすっぱり切断されてんのな。ワイヤーか?」
「うん、まあその一種かな」
「あっそう」
まじまじと死体を見る悪夜。それを何の感慨見なく見つめる。
「人の命とは儚いものだねぇ。そう思わない?悪夜」
「はっ人だろうと悪魔だろうと平等に訪れるのが死ってやつよ。ただそれがわずかに早いか遅いかなだけ。
その秩序を乱すもんは神にも悪魔にも忌み嫌われるもんだ。お前はそうなってくれるなよ?月夜」
しばらくの間が開く。すると天月がいきなり飛びあがった。
「ココハ危険ダ。今スグ逃ゲロ」
それだけ言うとまた倒れた。
「何?今の」
「しっ静かに」
悪夜の口を押さえて耳を凝らす。どっかでカチコチと嫌な音がする。
「悪夜、今すぐここから逃げるぞ。こいつはもとから捨てごまだ。急がなきゃ爆発するぞ!」
「うぇ!?」
「早く!!」
もはや一刻の猶予もない