3人寄れば暗殺days
これで完結となります。
ありがとうございました。
ミッションコンプリートした翌日。
「え~?本当に終わっちゃたの~」
学校に着いた途端に白離さん達に囲まれてしまった。
それに引きつりながら対応していく僕。
「暗殺対象である3人を昨晩のうちにみんな殺したからね」
「……残念」
「はは…」
一ちゃんの言葉にかわいた笑い声しか出てこなかった。
「そういえば、十六夜君にそっくりなあの二人はどうしたんです?」
「…ああ、あの二人なら、昨晩のうちに出て行ったよ」
別れ方は至極あっさりとしたものだった。
『じゃあこれで暗殺は終わったな。俺は魔王に報告して終了だ』
『私もです。では、月夜君とはお別れですね。また縁があったら会いましょう』
これだけ言い残して二人とも消えた。
……
あいつら、むかつく。
人の人生を振り回しておいて、そんな簡単な言葉で別れるのかよ。
ちゃんとまた会えるのか?
「お、珍しいね。月夜が気に入っていたなんて」
彩樹は音もなく囲まれている僕に接触してきた。
それよりも、今何と?僕があの二人を気に入る?冗談じゃない!
「気に入ってなんかないよ、あんな奴ら。僕がいら立っているのはきちんと報酬が入るか否かが分からないこの状態がストレスになっているからだから」
「言い訳がましい事を…」
ハア…とため息をつきながら肩をすくめる彩樹。その動作、イラッと来た。
制服の裾からワイヤーを伸ばす。
「死ねぇ!!」
「おっと」
首にめがけて飛ばしたワイヤーが前かがみした彩樹に避けられる。
「…っち…」
「友達の首を狙った上に外れて舌打ちするとか…ひどいな~」
彩樹の言葉に反応したのは白離さん達だった。
「自業自得ですね」
「あたしもそう思う」
「……戦うなら私も入れてほしい……」
うん、一人だけ反応違ったね。
「別にこんな事、日常茶飯事です」
「あの子らがいなくなったおかげで元に戻っただけだね」
僕はきちんと訂正しておく。戦ってなどいない。
「もう、いなくなった者なんて、どうでもいい」
ふう、とため息をつきながら目を閉じる。
これが僕の日常だ。暗殺をする日々なんて疲れてたまらない。
ふと周りが不自然に静かになった。
何だ…?
周りのみんなはぽかんと口を開けて空を見ている。
僕はつられて上を見た。
そこにいたのは…
「「あ゛あぁぁぁぁーーーーーー!!!」」
「い゛っ」
上から何かが降ってきた。
それはひどく覚えのある痛みで…
「「月夜!!助けて!!!」」
僕とおんなじ顔の二人…
「あれ…?どうしたんでしょう?月夜君が動かない」
その言葉に僕は切れた。
「…お前ら…人の上に乗っかってくるんじゃねーーーー!!さっさと降りろ!このボケ悪魔と馬鹿天使!!」
「「ヒッ」」
二人がおびえた表情をする。
それを見て彩樹は笑った。
「やっと本性を出したね、月夜。やっぱり君はこうでなくっちゃ」
「てめえも楽しそうにするな!」
「それよりも、さっき二人は助けって言っていたけど、聞かなくてもいいの?」
嫌な予感しかしないから聞きたくない。
二人をちらりと見ると、悪夜と天月は目を合わせて笑った。
「あの…上司にまた暗殺して来いって言われたんですけど…」
「魔王にある人物らを殺って来いって言われたんだけどよ…」
なんです 殺りませんか?」
「「相手が三つ子 だから、また一緒に
なんだよ 殺らねえか?」
「報酬は?」
「「用意します」」
僕は自然と口の端が上がっていく感じがした。
ああ、またこの騒がしい毎日を過ごすことになるのか、と思いながら。
「じゃあ、一緒に殺ろうか」
「ああ」
「はい」
こうして僕の暗殺daysはまた始まった。
ねぇ、知っている?
この世界のどこかに同じ顔をした者が3人いるってこと。
それはもしかしたら、天使や悪魔かもしれないよ?
完結になります。
初めて一作品を仕上げました。
もしかしたら、小話を書くかもしれませんので、その時は宜しくお願いします。




