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学園祭を楽しんだ日

 毎日毎日ほぼ徹夜でランタンを作った。もう俺史上最高に頑張った。授業が終わったらすぐに生徒会室に行って朗読劇の練習に付き合って、リベラの仕事以外も何故が手伝って、もうご褒美のお菓子を食べている暇もなかったの。兄上が定期的に俺の頭をなで回していたけどそれは兄上が忙しいからの癒やしであって俺の癒やしではなかったのだ。そして、朗読劇と言えども多少の演技は必要で、第一王子の棒演技に腹を抱えて笑うわけにはいかず、

 「なかなか良いですね~」

って太ももを抓りながら必死で笑いを堪えて言ったのに、第一王子にあっさり見抜かれ怒られるって踏んだり蹴ったりの日々を過ごして本日学園祭当日であります!!


 保護者も参加出来る学園祭。

 各教科の催し物がある。例えば薬草科なら、薬草を使ったハーブティーとお菓子を販売したり、領地経営科なら、各領地の名産を使った料理を出すイートインスペースだとか。騎士科は模擬戦で、優勝者を予想して、当たると何か景品が貰えるだとか、保護者についてきた小さなお子様相手に剣技の指導してくれたり、王城文官科は、成績優秀者のノートをかけたゲームだとか。そして、街の飲食店も出店を出してくれる。

 「あ~楽しい!こんなに学園祭が楽しいと思わなかった!!城下に降りたみたいで、色々食べ物が買えるのが嬉しい~パーシー!ドムさん達は店出さなかったの?俺に何も言ってこなかったけど。」

ポム・ソレーユからは何も連絡がなかった。あぁ~アップルパイの出店があれば行くのに。

 「店が忙しくて出店まで手が回らないって。俺もアップルパイ食べたかった~」

二人でがっかりしていると、リアムが

 「あちらに変わった料理の店が出てましたよ。。行ってみましょう。」

と誘われ、行くとドーナツの店だった。素朴なプレーンのドーナツ。

 「砂糖まぶしたり、シナモンまぶしたりしてみたら?」

って言うと、目をきらめかせた店主が

 「お、坊主、良いこと思いつくじゃねーか!」

と、おまけしてくれた。


 散々遊んで、生徒会による朗読劇の映像を流して、充実した一日が終わりに近づく。

 「ノア・ハワード!朗読劇の評判がすごく良かったぞ。映像と音楽の融合で見応えが有ったと高評価だ。協力感謝する。」

リベラから感謝を述べられ、やって良かったと思った。最初はこの人と一緒に何か出来る気がしなかったけど、少し仲良くなれたようだ。

 「それなら良かったです。ベイリー様も一安心でしょう。後はフィナーレでのダンスだけですね。ちゃんと婚約者の方をリードしてくださいよ。見てますからね。」

 「う、うむ・・・頑張る」

おうおう、頑張れ、頑張れ。なんて話しているとフィナーレの式典が始まった。

 

 最初に第一王子が今回の学園祭の総評をし、最後の挨拶をする。

ベランダみたいな所に立って話す第一王子を下から皆で見上げて聞く。

 話が長い・・・嫌われますよ。校長の話と結婚式の上司の話は短い方が喜ばれますよ。とどうでも良いことを考えていると第一王子と目が合った。半目になってつまらなそうにため息をついていたのを見られてしまった。

 やっと終わって、これから音楽を流してダンスが始まるよ~って時にさっき第一王子が話していたベランダみたいな所に第二王子とブルックリン・スカイラー男爵令嬢が寄り添って現れるに気づいた。

皆はこれから行われるダンスに気を取られていて気づいていない。

 

 やば~これってあの有名な、婚約破棄をする!って大声で言うやつじゃないの?


 「リアム・ガルシア公爵令息!!!どこにいる。こちら来い!!!!第二王子デービィット・クリスエバートの名において、貴殿との婚約を破棄する!!!!!」


 えー!!!なんともセオリー通りの婚約破棄宣言。もっと捻れよ!そして、周りがザワついている。おいおい!何言ってくれちゃってんの?俺がこの学園祭にどれだけ苦労して準備してきたか知ってんの?生徒会役員も皆この日の為にどれだけ頑張って準備してきたと思ってる?それをさ、自分の一個人婚約破棄で台無しにしないでよ!皆の思い出が全部お前の婚約破棄に持ってかれるじゃん。許さん!許すまじ!これ以上お前の勝手にはさせない。


 「はいはいはい!!!第二王子殿下!リアム・ガルシア様!ご婚約破棄誠におめでとうございまーーーす!!それでは皆様、あちらをご覧下さいませ!!!この日の為にご用意しました。ランタンでございます。空高く舞い上がるランタンの暖かな灯の下皆様、今宵の思い出に愛する人と、また、親しいご友人とダンスを踊りあかしましょう!!!では!ランタンよ、天に昇れ~~~~」

こんな事もあろうかと仕込んでおいた拡声器で第二王子の声をかき消し、ランタンに皆を注目させ係の人に頼んでおいたランタンを点火して貰った。


 ゆらりゆらりと天に昇るランタン。

幻想的な美しさに皆声を出すことも忘れ、ランタンを見上げる。100個のランタンがゆっくりゆっくり天に向かって舞い上がる。絶妙なタイミングで楽団の演奏が始まる。

ある者は婚約者と、ある者は片思いの相手と、ある者は友だちと皆が笑顔でダンスを始める。


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