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もう少しで騙せた日

 学園が再開された。

魔獣寄せの香を焚いた騎士科の生徒達は結局退学処分となった。

そりゃそうだろ、オリヴァーたちに勝ちたいからって香を焚いて、上級の魔獣が出たら退治出来なくなってリタイア、けが人も多く出しちゃって、停学では納得いかないだろう。退学になったからと言って怪我をした者たちが納得しているかと言えば納得はしてないだろうけど。それよりも二人の王子達の命の危険もあったわけだし、それで退学処分とは甘いなと思う。俺も死にかけたしな!

 学園はまだ落ち着かないが、時間は容赦なく過ぎていく物で、もうすぐ学園祭らしい。

学園祭・・・今年入学したので一体どのような催し物なのかよくわからない。なのに!また!生徒会に呼ばれてます。もうさ、いい加減にしろよ。って話しよ。お菓子を用意されてても機嫌なんて良くならないからね!俺は思ったね、律儀に赴くから良くなんだと。だからさ、ブッチだよね。

 と言うことで知らん顔して薬草畑の水やりをしています。

 そしたらさ、オリヴァーと兄上がだーっと来て、俺の両脇に手を入れたかと思ったらガシッと掴んでそのまま無言で生徒会室まで連行されたんだぜ。信じられないよ。

 

 「・・・・」

 「うわぁ~いつにも増して不機嫌だね。でもね、王子が呼んだら来ないと。」

 「・・・・」

 「え~挨拶もないの?いつも律儀に言うじゃん。『ただの生徒と呼びつけないでください』って」

 「・・・・」

 「え~無視?私泣いちゃうよ?」

 「・・・・兄上が僕を裏切ると思いませんでした。もう嫌いです。」

 「!ノア!違うんだよ。僕は本当はノアの嫌がることはしたくなかったんだけど、アレクサンダー様が我が儘言うから仕方なくだよ!」

 「ヘンリー、嘘は良くないね。ノア君に会いたいから僕が呼んできます。ってオリヴァー連れて行ったの君だよね。」

 「言わないでください!ノアに嫌われたらどうするんですか!」

わちゃわちゃ言ってるけど、結局俺は兄上に裏切られたからここに居るって事で良いのか?

 「で、今回は何なんですか?」

ため息をつきながら聞くことにする。勿論お菓子を食べながらだ。ここまで来てやったのだから、お菓子は是非食べておかねば。

 「ん?あのね、今度学園祭あるじゃない。そこでさ、ちょっとノア君に何かして欲しいんだよね。人目を引く催し物できない?」

 「できません。大体僕は生徒会役員でもないし、今年入ったばかりの初めての学園祭なので、毎年どのような事をされているのかもわかりませんし。では失礼しました。」

さっとお菓子を食べ終わったので、席を立って帰ろうとすると無言でドアの前に見知らぬ生徒が立ち塞がった。

 「・・・どちら様でしょう。」

 「キミは第一王子殿下に対して大分不敬な態度だ。このような態度の生徒を見逃すわけにはいかない。王子殿下に謝罪を。」

 「・・・謝罪をすれば退室しても良いって事ですか?」

 「いや、退室を許すわけにはいかない。キミにはしてもらわないといけないことがある。殿下のおっしゃった学園祭の催し物を了承してもらわねばならない。」

 はぁ?なんなんだよこいつ。今年入学した奴に学園祭のなんかやれって去年までの雰囲気もわからないのに、なんでやらなきゃなんないのさ。

 「去年までの学園祭がどんなんかもわからないのに、今年何かやれって言われても知らないよ!生徒会役員なら自分らでやれよ!なんで俺がしないといけないんだ!だいたいここに来たのだって、はっきり言って拉致だからな。騒いでやる!拉致られたって今から大声で騒いでやるからな!」

ガンキレで叫ぶと、兄上が慌てて

 「ノア!わかったから落ち着いて話しを聞いて!」

俺を抱きしめてきた。

 「リベラ、キミのために呼んだんだから、もっと友好的に会話してよ。ノア君、こちらリベラ・ベイリー。ベイリー公爵家の嫡男で4年生だよ。今回の学園祭の責任者を務めているんだけど、彼、ちょっと真面目で学園祭の催し物のアイデアがさっぱり出ないって言うからキミに来てもらったんだけど・・協力してくれない?」

 ベイリー公爵家ってリアムの公爵家ともう一つある公爵家の方か。なんか気も合いそうにない奴だし嫌すぎる。

「ベイリー様、毎年学園祭をご覧になっているのですからご自分で一度案を出されてみてはいかがでしょう。僕がどれほどあなた様の役に立つだろうかと考慮しましたが、残念ながら立ちそうにございませんので、ここいらでお暇したしますです。それではさようなら」

そう言ってドアに手を掛けようとすると、第一王子に阻まれ

 「ものすごく丁寧に頑張って言った感はあるけど、騙されないよ。リベラ!なに騙されてるの!」

チッ!リベラは騙されてそうか・・・なんて顔してたのに、王子は誤魔化されなかったか。

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