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火の取り扱いに注意した日

 「・・・あのねぇ、俺そろそろ怒っても良いと思うんだ。神様だって許してくれると思うのさ。」

力なく剣を持ったパーシーが遠い目をして突っ立っている。勿論俺もその横で同じような顔で立っている。

 「わかる。俺もなんでこんな事になったのか今知りたい。」

いつも以上ににっこり微笑むリアムがメイソンを連れ立ち、俺とパーシーの前に立っている。

 「お待たせ!今回魔獣駆除実施訓練にこの4人でチームを組むことになったから、これから打ち合わせと、練習をしましょう。」

 「はぁ?待って待って待って!ガルシア君!ちょっと、どう言うこと?俺とノンタンはわかるよ、でもさ、バーリー様は意味がわかんないんだけど?ガルシア君も出るって事?なんで俺が君たちのチームに入ること決まってんの?全然意味がわかんないんだけど!!!!」

 パーシーがテンパってるのがよくわかる。ノンタンはわかるよ。って何よ?俺はわかんねーわ。

 「リアムが出るなら俺も出るって言ったけど、許可出たの?パーシーは・・・うん、ごめん。俺と一緒のチームで居てくれ。大丈夫だ、お前は根っからの末っ子キャラだからやっかみを買うことは無いと信じたい。」

 「この前は大丈夫って言った!今日は信じたいって何?段々自信なくなってんじゃん。俺のバラ色の学園生活が灰色になってくじゃん!!」

 やいのやいの騒いでいると、んんっと咳払いをしたメイソン・バーリーが、神妙な顔つきで

 「今回は、そのすまない。父さんからの勧めもあって、ハワードと組むことになった。ガルシア公爵令息も参加して頂けると許可が出たので、同じチームにしてもらった。えーと、君は知らないが、よろしく頼む。今回の魔獣駆除実施訓練で俺はこのメンバーで良いところまでいけると信じている。共に力を合わせて頑張ろう」

 さっと、手を前に出して、俺たちに重ねるよう顎でしゃくる。

 「君は知らないってひどい・・・勝手にチームに入れられてよく知らないって・・・俺泣いちゃうぞ・・・」

 拗ねているパーシーの手をサッと掴んでにっこり微笑んだリアムに

 「私が知っていますよ。それだけでは駄目でしょうか?」

なんて言われて、ポッと顔を赤らめているパーシー。俺も渋々手を重ねると

 「頑張ろう!おう!」

張り切るメイソン。恥ずかしい。訓練室の隅で円陣なんて誰もしないよ。案の定目立つ俺たちは注目の的であった。大体、リアムが騎士科の訓練室に居ること自体珍しいのに、薬草科の俺もいるし、メイソンが張り切っているのでもう目立つ目立つ。パーシーの気持ちもわかる。


 今回魔獣駆除実施訓練に参加するにあたって、俺は条件を出した。

 1 俺や、リアムは駆除の指示を出さない。各々の魔法と剣技の実力を考えて、メイソンが指示を出す事。

 2 リアムに怪我をさせない事。

 この二つは絶対条件だった。今回はメイソンただ一人騎士科なので、お前が指示しろ。将来団長になるのが夢なら、俺や、リアムに計画を練って貰うのでは無く自分でしてみろと言った。そして一番大事なのが、無理をさせてリアムが怪我を負うことが絶対無いようにと念を押した。

 「第二王子殿下の婚約者様ですから、それはもちろんです。」

片膝をついて頭を下げていたので、大丈夫だろう。

 「では、それぞれ得意な魔法を言ってください。えーと・・・パーシー?殿から・・・」

 「領地経営科のパーシー・ミラーです。パーシーで良いよ。俺は氷魔法。あと風も得意。剣技は中くらいかな。出来たら先陣きっていくのは勘弁して欲しい。後方支援向きだと思う。」

 「俺は、氷、水、風が得意。身体軽化で相手に突っ込むのが得意。剣技は中くらいかな。そこはよくわかんない。先陣切って行けって言うなら行くけど、力が弱いから致命傷にはならないと思う。」

 「私は、火、風、水が得意です。剣技にはそこそこ自信があります。」

 「俺は、火、土魔法が得意です。剣技には自信があります。では、ハワードに先陣を切ってもらって、俺が致命傷を、残党をガルシア公爵令息にお願いします。パーシーは漏れた魔獣を狩ってもらうので大丈夫ですか?」

 「う~ん・・・残党をバーリーがした方が良くない?後ろから全体を見て指示した方が良いと思うけど。パーシーは俺と最初に扇状氷弾で魔獣がどこに居るか探るってのどう?」

 「・・・え?扇状氷弾?」

メイソンとリアムが首を傾げる。

 「氷の粒を扇状に一斉に打つんだ。それが扇状氷弾。魔獣にあたったら、逃げるなり、向ってくるなり、何らかのアクションがあるだろ。潜んでる魔獣には良いと思うんだけど・・・」

 どういう感じか見たいと言うから、外に出て実践してみた。やっぱり俺の魔法の使い方は独特らしい。パーシーは子供の頃から慣れているから麻痺していたようだ。

 

 「ねぇ、魔獣ってさ、駆除したら自分たちで解体すんの?どうやって順位って決めるの?」

何分初めての参加、しかも見学もしたこと無い魔獣駆除実施訓練。

 「各チームに王城騎士団が2名ついてくれる。狩った魔獣は騎士団が解体してくれるから、俺たちは魔獣を狩るだけでいい。」

 慣れてきて、敬語で話すのはやめようとなって、メイソンは普通に話すようになった。リアムは『敬語はもう癖なので、そのうち自然と取れたら良いですね・・』と言っていたからまだ敬語。メイソンは、ガルシア公爵令息から、ガルシアと呼ぶことになった。ちゃんとしたところではガルシア公爵令息と言うって言っていた。

 「それってさ、魔獣燃やしたらさ、魔石だけ燃えずに残るじゃん。そうやっても良いって事?」

 「何を言ってるんだお前は。魔獣をわざわざ燃やすことあるか?いくら火魔法が得意でも魔獣を燃やすのに、どれだけ魔力が要ると思ってるんだ。相当使うぞ。あと単純に訓練がある森が火事になったら怖いから使用禁止だ。」

 「あ~ノンタンの魔法の発想馬鹿にすると後で度肝抜かれるよ~ノンタンって俺たちの常識が通じないからね。何思いついたのさ。やってみてよ。」

 パーシーがメイソンを小馬鹿にし、俺に思いついた魔法をやれと言っている。

 「俺、火苦手じゃん。ね、リアムこれくらいのさ、球体で燃えてる炭みたいに火種を持ってるって想像して・・・それを相手の体ん中に勢いよく打ち込んで・・・爆ぜるってやってみてよ。体の中で火種が四方八方に飛び散るって感じ。そしたらからだの中で火が燃えるじゃん。どう?想像出来そう?」

 パチンコ玉位の球体を想像させて、実践してもらう。

 「ん~こんな感じですかね。ノンタンの思ってる感じと違います?で、打ち込んで・・・爆ぜる!」

 メイソンに出してもらった土人形に向かって打ち込んでもらった。

 「う~ん・・・土だからかな?燃えないな・・・でもこんな感じ!」

 「ノンタン、魔獣にあたっても多分燃えないと思いますよ。魔獣の体の中も肉や血管で湿っているでしょうし」

 「・・・ハワードの発想怖いわ。父さんは俺にお前みたいな魔法を使えるようになれって言いたかったのか?」

 なにやら、ブツブツ言ってるが、知らんぷりして火魔法の有効な使い方を考えた。


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